『アリータ:バトル・エンジェル』ロドリゲス監督が日本のYouTuberに映像製作の秘訣を伝授
2月15日(金)、六本木のYouTube Space Tokyoにて、『アリータ:バトル・エンジェル』のクリエイターズセッションが行われ、YouTuberたちの質問にロバート・ロドリゲス監督、主演のローサ・サラザール、名優クリストフ・ヴァルツ、プロデューサーのジョン・ランドーが答えた。イベントナビゲーターは、バーチャルYouTuberのキズナアイが務めた。
木城ゆきと原作の漫画「銃夢」を、ジェームズ・キャメロンの製作・脚本で実写化した本作は、サイボーグの少女アリータがCGキャラクターで、ローサ・サラザールが動き(モーションキャプチャー)と声を担当。クリストフ・ヴァルツは実写出演し、映画では実写キャラクターとCGキャラクターが見事に共演している。その意味ではジェームズ・キャメロンの『アバター』と同じスタイルの映画といえるが、『アバター』が別の惑星を舞台にして背景も空想のものであったのに対し、『アリータ』は地球上で背景も身近にあるものだということで、ロドリゲス監督は実際のセットの中でローサに演じさせてCGと実写を何の違和感もなく一緒に描くことに成功している。
人工知能(AI)を自称するキズナアイは、初来日した名優クリストフ・ヴァルツの隣に設置された縦型ディスプレイの中に登場し、愛くるしい声とジェスチャーで来日ゲストに次々と質問をして、映画のアリータさながらに何の違和感もなく登壇者と会話を楽しんでいた。ローサとクリストフはキズナアイをえらく気に入ったようで、「持って帰りたい。どうやったらそっちに行けるの?」とローサ。途中キズナアイが画面からいきなり消えてしまったときにはローサは「どこに行ったの?」と立ち上がって探し回り、また画面に現れると画面に抱きついていた。
さらにキズナアイにご執心だったのはクリストフで、いきなり「君は婚約してるのかい?」とストレートに聞いてきた。キズナアイが婚約していないことを知ると「後でゆっくり話そうね」とニンマリ。キズナアイの手を握ったり、さらに「人間がサイボーグを愛することができるなら、その逆もあり得ると思う。だから僕は君の横に座っているんだ」とノリノリだ。ローサが「2人を描いた恋愛映画なら見るわ」というと、ロドリゲス監督は「2人の恋愛映画だって? すごく短い映画になると思う」と真顔で言っていた。
YouTuberからの質問に答えるコーナーでは、「ハリウッドで監督になるにはどういう行動をとったらいい?」という質問があり、ロドリゲス監督は貧乏揺すりしながら「僕は自分がハリウッド映画の監督だなんて思ったことはないし、君たちにもそうなって欲しくはないんだ。僕は今もテキサスにいるし、気の合う仲間たちとゴムやキャンディーなどをかき集めて自分の作りたい映画を作っているだけなんだ。君たちも自分のハリウッドを作ればいい」と答えていた。
原作者の木城がスタジオに訪れたときには、「原作本は使い込んでボロボロになっていた」というローサは、木城にかけよってハグしたそうで、「耳元で”アリータ”と言われたわ。彼は普段は漫画を描く人だから人とはあまり話さない寡黙な人だから、他に何も言わなかったわ。でも原作本にサインをもらって、耳元でそう言われたことは私にとってはアカデミー賞をたくさん受賞することよりも名誉なことだったの」と興奮気味に語っていた。
『アリータ:バトル・エンジェル』は、2月22日より全国ロードショー。