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第31回東京国際映画祭レッドカーペット辛口レポート

第31回東京国際映画祭のオープニングレッドカーペットイベントが10月25日(木)に六本木ヒルズで行われた。今年のアンバサダーは松岡茉優。レッドカーペットには、イギリスの俳優レイフ・ファインズや、稲垣吾郎、福士蒼汰、宮野真守らが登場した。

松岡茉優は、去年の主演作『勝手にふるえてろ』が同映画祭で観客賞に選ばれており、その縁からも今年の「顔」にふさわしい女優だったと言える。松岡はレッドカーペットにレイフ・ファインズと共に登場。レイフ・ファインズは近年では監督としての活躍が目覚ましく、今回は監督第3作『ホワイト・クロウ』をひっさげての登場となった。

さて、東京国際映画祭、略してTIFFは、毎年秋に開催されるこのイベントを取材しての感想を書かせてもらうが、筆者は年々元気がなくなって来ている気がしてならない。レッドカーペットを歩く顔ぶれも毎年のように同じ人ばかりという印象である。

今年のコンペティション部門の審査委員長はブリランテ・メンドーサ。知名度は高いとはいえないし、以前映画祭に出席したことがある縁から選ばれている気がしてならない。以前は「おお!」というような人が審査委員長をやっていたものだが、今年は全体的に地味な印象である。さらに今年は安倍首相も出席していない。ということは、国内でのこのイベントの価値は他の政務よりも重く見られていないということになる。

最も残念だったのは招待作品でハリウッドスターが誰も来なかったことだ。今年のオープニング招待作品は『アリー/スター誕生』で、これは俳優のブラッドリー・クーパーが監督して、歌手のレディー・ガガが主演している話題作である。レディー・ガガが来てくれるのかと期待していたのだが、会場にはレディー・ガガの姿はおろか、監督のブラッドリー・クーパーの姿もなく、代わりに寺島しのぶとワーナーの社長が出席しただけである。このがっかりは大きかった。寺島自身も「ブラッドリー・クーパーさんかレディー・ガガさんがいてくれればもっと華やかだったでしょうけど」とスピーチしていたほどである。

とはいえ、たまにレイフ・ファインズや市村正親など、普段レッドカーペットで見たことがない大物が登場することもあるので、目が離せないイベントではある。女優たちのドレス対決も毎年見もので、様々な国の正装が見られたり、ゴージャスなデザインのドレスが見られたりするところも面白いところである。今年最も歓声があがったのは、『三人の夫』のクロエ・マーヤンのドレスである。錦鯉を模したすごいデザインのドレスで多くのカメラマンたちに呼び止められていた。

他にも、お笑い芸人の横澤夏子が「主演女優の横澤夏子です。主演女優やらせていただきました。主演女優としてレッドカーペットを歩いていますので、どうか主演女優の横澤夏子をよろしくお願いします」とユニークなトークで盛り上げたりしてくれたり、ちょいちょい楽しい場面もあって、なんやかんやで3時間があっという間に終わっていた。ハリウッド・スターこそいなかったが、なかなか頑張っていたと思う。(澤田)

2018年10月28日 23時12分

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