めっちゃかっこいいぞ『パワーレンジャー』ジャパンプレミア@両国国技館 レポート
7月3日(月)、『パワーレンジャー』のジャパンプレミアに行って来た。
『パワーレンジャー』とは、日本で生まれた『スーパー戦隊』をアメリカで作り直したものだ。日本ではシリーズの『恐竜戦隊ジュウレンジャー』がちょうどアメリカでの初代作品にあたる。1993年から放送を開始し、日本の特撮シーンはそのままに、英語キャストによる追加シーンを撮影して編集し直したローカライズ版なのだが、瞬く間に全米の人気シリーズとなり、今ではアメリカでの認知率は93%。アメリカの子供番組としては史上最高視聴率を記録するなど社会現象となっている日本発のオバケコンテンツである。
筆者もアメリカをぶらぶら旅していた頃、テレビでは夜の暇つぶしにキッズ向けのチャンネルを見ていたのだが、そのときに何度も放送していた『パワーレンジャー』を見たときの衝撃は忘れない。なんというか、めっちゃかっこよくて、歌もすごくて、アメリカで作ったらこんなにもかっこよくなるのかと驚いた。そのときの放送ではたしかセンターのレッドレンジャー役を黒人の俳優がやっていて、これがまたイケメンでばっちり決まっていた。日本の戦隊と違って、様々な人種がそろって5人組を形成しているところに大きな特徴があった。
今回の作品は、映画のために作られた『パワーレンジャー』だが、日本の特撮のエッセンスをハリウッドの特撮技術で映像化していて、めちゃめちゃかっこいい戦隊ヒーローが誕生している。そしてやはり映画版でもオーストラリア人のレッドを始め、多国籍で戦隊を形成している。
7月3日のジャパンプレミアには、両国国技館にレッド役のデイカー・モンゴメリー(22)とピンク役のナオミ・スコット(24)、監督のディーン・イズラライト(32)が来日。日本吹替版からもレッド役の勝地涼(30)、ピンク役の広瀬アリス(22)、ブラック役の鈴木達央(33)が登壇した。
場所を両国国技館にしたのはお見事。両国国技館全体をパワーレンジャーのデザインで模様替えしての大掛かりなイベントだった。筆者は初の国技館だったが、天井が高く神々しささえ漂う空間に圧倒された。力士たちの写真が飾られて、パワーみなぎる中でのイベントだったが、音響設備もかなりのもので、イベント中大音量で流れていたBGMがまたかなりかっこよくてイイ感じで、久々サントラが本気で欲しくなった。司会はマックスウェル・パワーズ。もう名前からしていかにもなんだけど、ノリノリのトークでイベントを盛り上げてくれた。
場内が暗くなって、レーザー光線が飛び交う中で、スモークの中からキャストたちが登場するところはかなり盛り上がった。ジャパンプレミアは色々あるけど、過去最もかっこいい登場の仕方だったといっても過言ではない。
イズラライト監督は「子供の頃、パワーレンジャーを見て育ったけど、そのときはパワーレンジャーがスーパー戦隊が元になっていたことを全く知らなかった。スーパー戦隊が生まれた日本にパワーレンジャーの映画を持ってこられて嬉しい」と挨拶していた。良いこと言うなあ。
イベントのもう一人の盛り上げ役は、お笑い担当の山里亮太(40)。アルファ5というおしゃべりロボットの役を吹き替えている。山里は「みんな、どうも! ハリウッドデビューを果たした山里です! まさか綾部よりも早くハリウッドデビューできるとは思っていませんでした」と言って場内を沸かせていた。古田新太(51)も「壁の役」として登場(この辺は映画を見てもらうとわかると思う)。古田は「以前戦隊物に出たことがあるけど宇宙忍猿ヒザール役だった。今回は壁の役。レンジャー役で出ることはもうないと思った」と笑いを誘った。
そしてパワーといえばこの人。ゲストとしてアントニオ猪木が登場した。もちろん登場するときは猪木のテーマで。あの空間で爆音で猪木のテーマが流れて、スモークの中から猪木が登場したときにはさすがに取材していて興奮した。猪木は闘魂(パワー)注入として、山里の右頬を叩いて見せ、山里はデイカーから「僕らの分まで殴られてくれてありがとう」と労われていた。(澤田英繁)
7月15日(土)全国ロードショー