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X JAPANが六本木に降臨 YOSHIKI 『WE ARE X』への想い、ファンへの感謝を語る

公開までいよいよ1週間が迫った2月24日(金)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、X JAPANを追ったアメリカのドキュメンタリー映画『WE ARE X』の完成披露ジャパンプレミアが開催されました。劇場の正面エントランス大階段には、X JAPANの言わずと知れた名曲『紅』にちなみ、紅色に染まったカーペットが敷かれ、その上には巨大“X”オブジェが登場。さらに会場には大勢のファンが駆け付け、まさにX JAPAN一色に。本作へのそしてX JAPANへの注目度の高さが窺える熱狂的な盛り上がりを見せました。

MCより“X JAPAN”登場のアナウンスがされると、会場外から、今回のイベントへの参加に落選してしまったファンからの悲鳴にも似た歓声があがり、YOSHIKIさん、Toshlさん、PATAさん、HEATHさん、SUGIZOさんのメンバー全員が登場すると、会場は熱狂の渦へ。サウンドバイツエリアでは、駆け付けたファンひとりひとりに握手やサインをするなど、ファンとのコミュニケーションを楽しむ様子をみせました。映画イベントでのメンバー全員の登場はX JAPAN史上初。本作がX JAPANにとって、また新たな歴史の一歩を刻みました。

MCより、本作がつくられた経緯や映画化を決めた決心などを問われるYOSHIKIさんは「先程メンバーと話していたんですけど、なんでこんな映像があるのだろうと。元々僕らは、結成して、ソニーの時からドキュメンタリーをいつかはつくろうということでカメラがまわっていたんですよね。ただ、その後に壮絶なドラマがあって、それはX JAPANの解散、そしてHIDEの死、Toshlの洗脳、再結成、海外進出、その中でまたTAIJIの死。そういった色々なことが起こる中で、とてもじゃないけど振り返れないし、映像を辛くて観られないということで、いつのまにかそういう話はなくなっていたんですよね。X JAPANのラストライブですらみるのが辛いのに、X JAPANの全部を描こうなんて不可能だろうと。ただそういった中で、X JAPANは、まだ進行形である、X JAPANのストーリーというのは、心に痛みをもっている人、または人生に挫折しそうな人たちに勇気を与えられるんじゃないか、人の命を救えるんじゃないかということを言われ、そうであるならば、企画を進めてみようと思ったんです。たまたまその時期が、マディソン・スクエア・ガーデンでの公演と時期が被ったので、この映画の撮影、そして今までの映像を探してみようということで始まりました。」とその胸中を明かしました。

本作について「盆と正月が一緒に来たような映画。最初は観るのを5回くらい断った」と明かしたToshlさんですが、本作を初めて観たときの状況について「レコーディングだと呼ばれて、スタジオに行ったらそこに映画館が出来ていて、YOSHIKIがどうしても観せるということで、レコーディングではなく、ひとり映画鑑賞会になりました」といい、また「観終わった後は、15分から20分くらい全く言葉が出ない、椅子から動けずに、絶句してしまいました」と振り返りました。
またYOSHIKIさんもToshlさんと同様だったようで「僕も初めて観た時は、Toshlと一緒で立ち上がれなかったですし、あれは夢だったんじゃないだろうかと、どこかで現実を消化しきれていないところがあったけど、実際に映像で観るとやはり本当だった」と明かし「観るたびに泣いてしまって、8回くらい観たんですけど、観るたびにこういうのがあったんだと発見がある。何回も見ないと消化できないところがある」とコメント。するとPATAさんはしんみりとした雰囲気になった会場を温めようとでもするかのように「じゃあ皆さんも何回も観に来るように。涙で前が見えないこともあると思います!」とお茶目にフォローし、会場の笑いを誘いました。

HEATHさんは本作の感想を「衝撃的なシーンもあるんですが、なぜX JAPANがここまで大きくなって、たくさんの人を魅了させるバンドなのかというのが、この映画を観ていただけるとわかると思います」とコメント。またSUGIZOさんが、「壮絶なんです。とても壮絶で、偉大な歴史を持つX JAPANの中で、僕はほんの最近の一部に存在しているんですけど、この歴史を観てしまうと、僕は本当にここにいて良いのかと思ってしまう。ここに僕がいて何ができるだろうと考えてしまう」と語ると、YOSHIKIさん「SUGIZOがいるから今のX JAPANがあるんです」と感謝を述べるYOSHIKIさん。またSUGIZOさんが「まともな神経だとここにいられないんだと思います。HIDEさん、TAIJIさんがいて、そのポジションを担うっていうのは、頭おかしくないとできないんじゃないかと思う」と話すと、YOSHIKIさんは「多分そうだと思います」、PATAさんもまた「私も頭おかしいです。身体も悪かったです」と話しに乗っかり、そのコンビネーションの良さに、会場からは笑いが起こりました。

またToshlさんはあらためて本作について、「とにかく、僕的にもなかなか振り返れない過去があって、本当に長いロングインタビューを一対一で行ったんです。その中で自分の消したいところも、監督はどうしてそこを使いたい、それで意味があるんだと言ってくれて。さらけ出すならすべてさらけ出そうということで、この映画にはそういうシーンも多々収まっています。この映画で自分の過去とケジメをつけて、X JAPANとしてHIDEとTAIJIと一緒に、大きな壁をぶち破って行くんだなと。そしてファンの方たちと一緒に分かち合って、運命共同体として、みんなと一緒に気持ちを込めて観たいなと思います」とコメント。

またYOSHIKIさんも本作について、「決してカッコいいシーンばかりでない。僕も個人的にはToshlと同じくらい入れてほしくないシーンがあったんだけれど、監督に押し切られた。当時HIDEが亡くなった時、壊れてしまいまして、もう生きていけない、ミュージシャンもできないということで、ロスでセラピーを受けていたんです。その時お医者さんに、うんそうだねって頷かれると、そんなのわかるわけないじゃないと怒って帰ってしまったりしていたんですよ。そういう時期がずっと続いて、結局そのセラピーは途中で断念してしまったんですけど、この映画のインタビューも最初は全然喋れなかったんです。上辺のストーリーは喋れるけど、内面まではさらけ出せない、カギはかけたままで、ドアはどうしても開けない。その時にお医者さんに診てもらっていた時の事をだんだんと思い出して、気付いたら泣きながら喋っていました。カギを開けて、ドアを開けたんですけど、結局はそのドアというのは、最初は暗い・痛い・悲しい未来に続くドアを開けてしまったと思っていたのが、ただ今考えると、そのドアというのは、実は希望に満ちたドアをだったんだなと、この映画を観て思いました。そして、僕らがこうやって存在しているということは、何年もの間ずっとこうやって応援してきてくれたファンがいたからこそ、この映画も完成し、こうやってステージに立って居られると思うし、今度イギリスに行きますが、そういった世界でもコンサートができるんだというふうに思っています。本当にファンの皆さんに感謝しています。ありがとうございます」と涙ながらに本作への想い、そしてファンに対する感謝の気持ちを伝えました。

その後のフォトセッション時には、涙でYOSHIKIさんのメイクが崩れていないか、Toshlが優しく声をかけたり、SUGIZOがスマートフォンのカメラを鏡代わりにして見せたり、終始X JAPANの強い絆が感じられた完成披露ジャパンプレミア。最後は集まったファンと一緒に、Xポーズで写真を撮り、ひとりひとりに手を振りながら、大喝采の中、X JAPANは会場を後にしました。

2017年2月27日 12時35分

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