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字幕と吹替、どちらが好きか?

どうも。管理人の澤田です。ちょっとしたきっかけで友達から誘いがありまして、某社の会議室で映画について1時間のトークショーをすることになりまして、先日、生まれて初めて大勢の人に取り囲まれる形で映画について語りました。せっかくなので何か形に残そうと思いまして、自分で自分のトークショーの内容を記事にしてみました。今後はブンロクを変えて行きたいと思っていまして、今回の記事はその最初の試みでもあります。

トークショーのテーマは次の3つでした。
(1)字幕と吹替、どちらが好きか?
(2)IMAXシアターで見る3D映画
(3)家で見る映画と映画館で見る映画

字幕と吹替、どちらが好きか?

字幕には字幕、吹替には吹替の良さがありまして、どちらが良いというわけではなく、どちらにも良いところと悪いところがあります。僕は字幕も大好きですし、吹替も同じくらい大好きです。今日は字幕が好きという人が多いので、ちょっと吹替を擁護したいと思います。

字幕の場合、セリフの情報量がすごく少なくなるんです。文字数の制限があって、セリフがぶっきらぼうになりがちです。試しに字幕を出して吹替の音声で映画を見ればその情報量の違いに驚きますよ。そして字幕だと、ストーリーが先にわかってしまうんですよね。これから言うことが字幕が出た瞬間、先に読めてしまう。だから映画館で外国人と日本人で笑うタイミングが違うんです。日本人の場合、字幕が出た瞬間に笑ってしまう。

あと、大きなスクリーンで字幕を見ていると映像に集中できません。字幕を見ていると登場人物の微妙な表情の変化を見逃してしまうかもしれません。吹替だと映像に集中できます。微妙な表情の変化もよくわかります。セリフも英語で言っている言葉のニュアンスにかなり近い日本語に訳されているのでストーリーがわかりやすいです。吹替の場合、エキストラの声も日本語になっていますが、字幕ではエキストラが何と言っているのかまではわかりません。

最近は映画はフィルムではなく、データで渡す時代になったので、映画が公開直前まで編集されていることが多いです。そうなると完成品を見ながらじっくり字幕を作っている時間がありません。その上、字幕翻訳家の数も決して多くないので、字幕のボキャブラリーは貧弱になりがちです。同じ翻訳家の場合、言葉の使い方がどの作品でも同じだったりします。

吹替にも欠点がありまして、どうしても演じている役者本人にはなれないということです。英語の場合、英語ならではの語感の良さも作品の中で重要な意味があったりしますが、吹替ではそれが全部なくなってしまいます。クエンティン・タランティーノの作品の場合、セリフ量が膨大で、出て来る役者たちもかなり声が渋くてかっこいいです。惚れ惚れします。その声のかっこよさだけでも映画を見る価値があるというくらいです。4文字の放送禁止ワードもテンポよくガンガン使いますけど、吹替では全部なくなってしまいます。フランス語はどんな役者が喋ってもオシャレに聞こえるし、中国語はすごく美しいし、ロシア語はすごく神秘的に聞こえる。外国語の言葉そのものの持つ音の魅力は字幕でしか味わえないものです。

映像に集中してストーリーを深く理解するなら吹替ですが、作品の音の良さをそのままの形で楽しむなら字幕。それぞれに良さがあるので、本当に好きな映画なら、両方見ることをおすすめします。

IMAXシアターで見る3D映画

最近はなんでも3Dになるってくらい、3D映画が多いですけど、みなさん、3D映画を見たことがありますか? 3D映画を見てがっかりした人も多いと思います。3D映画はたくさんあるけれど、そのほとんどが失敗作です。全然3Dの良さが引き出せていません。みなさんは本当の3D映画というものを見たことがない。本当の3D映画は実は本当にすごいんです。

3Dで見ることを目的として作られた映画をIMAXシアターで見ること、これが本当の3D映画体験といえるものです。IMAXシアターでは、ジェームズ・キャメロンが『アバター』を作って3Dブームを巻き起こしたその何十年も前から3D映画をずっと毎日上映して来ました。IMAXシアターは、スクリーンも大きくて、映像もかなり鮮明で、毛穴の汚れがはっきり見えるくらいです。2Dで見ても、役者のアップの顔が、まるですぐそこにいるかのような臨場感で映し出される。これくらい大きくないと3Dの意味がないのです。3Dの失敗作の場合、顔などディテールが平面的に見えてしまいますが、IMAXシアターの場合、鼻先と目のくぼみまでちゃんと立体的に見えるので、その差を実感できます。

一番飛び出すのはIMAXのロゴマークです。ロゴマークというのは、会社の威信をかけて作るものなので、たった数秒の映像なのに1本の長編映画くらい予算をかけて作っているものもあって、映画の中でロゴマークが一番凄かったという声もあるくらいです。IMAXのロゴマークもお金がかかっていて、思わず後ろにのけぞってしまうくらい飛び出して来ます。これだけでも体験する価値があります。

3Dは飛び出すものと思っている人が多いですが、むしろ奥行きを楽しむものです。『アバター』は最初のシーンで映像がトンネルのように奥の方まで続いていて、その奥行き感に感動したものです。『アバター』は2台のカメラをつなげてもともと3Dとして撮影していますが、キャメロン監督は『タイタニック』もデジタル技術で3Dにしていて、2Dの映画でも3D映像に加工できることを証明しました。

以前は品川のIMAXシアターが都内で唯一のIMAXシアターでしたが、何年か前に閉館してがっかりしたものですが、去年また復活しました。映画館に入った瞬間にまずそのスクリーンの大きさに驚きます。ぜひ行って見てください。

家で見る映画と映画館で見る映画

僕は学生時代に毎日映画を見て、その青春のすべてを映画に捧げてしまいました。その映画の多くはビデオを借りて家で見ていました。社会人になると部屋をホームシアターにして、映画館並の迫力を家にいながら体験できるようにしました。家の場合、途中で止めたり、巻き戻しもできます。寝そべって見ることもできます。オンデマンドなら気が向いたときに500円前後で家族全員で映画を楽しめます。

映画館で映画を見ることの良いことは、観客と感動を分かち合えることだと思います。コメディ映画をみんなで笑いながら見るのは楽しいものです。僕は修学旅行で東京に来た時に見た『ジュラシック・パーク』の映画体験を今でも忘れません。女性客が悲鳴をあげて、怖かったですね。

昔リバイバルで『2001年宇宙の旅』を見た時は、宇宙船の窓に動いている人が映っているのが見えて驚いたものです。テレビではただの窓にしか見えなかったのに、映画館ではこんな細かいところまではっきり見えるんですね。でも最近は4K・8Kの登場で、テレビの方が映画の画質を抜きました。映画館の場合、画質には限界があります。スクリーンをよくみると小さい穴が無数に開けられているんですね。この穴は裏に設置してあるスピーカの音を正面から伝えるために開けてある穴なのですが、これがテレビの画素よりも大きい穴なので、その意味ではテレビの方がより木目の細かい映像表現ができる時代になったと言えるのです。

それでも映画館で映画を見るのは、テレビよりも早く新作を見られることも理由のひとつですが、やはり映画館で見た作品は映画館に行った行為そのものが思い出になるからですね。

『バトルシップ』は最低映画賞といわれるラジー賞にもノミネートされていて、評価は低いですが、僕は大好きです。なぜなら大きなスクリーンで見たときの思い出が残っているからです。僕はワールドプレミアの上映で見ましたが、リアーナほか出演者がみんな来ていました。大嵐の中で傘も壊れて全身びしょ濡れになって来ましたが、壁がみしみし音を立てている中でファンたちと映画を一緒に見て、一緒に笑い、一緒に感動し、最後には拍手喝采を送りました。すごく楽しい映画体験でした。僕にとっては良い思い出です。

2017年2月19日 16時50分

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