司馬遼太郎原作『関ヶ原』映画化決定 日本初の“世界戦略時代劇”として
日本史上最も有名な合戦と言われている「関ヶ原の戦い」が初めて本格的に映画化されることがわかった。
原作は累計580万部超の発行部数を誇る日本人のバイブルとも言える司馬遼太郎作『関ヶ原』。徳川家康役を役所広司、石田三成役を岡田准一が演じる。また、原作の重要人物であった初芽役を有村架純が演じることが決まった。監督は『日本のいちばん長い日』の原田眞人。原田監督自身も25年前から『関ヶ原』を映画化することを熱望していたという。東宝とアスミック・エースの共同配給で来年初秋に全国公開される。
撮影は8月中旬より約2か月半、滋賀・京都などを中心に、国宝級の歴史的建造物での映画初撮影を予定。また、天下分け目の決戦を描くために、約3000人規模のエキストラも参加しての撮影になるという。司馬遼太郎の『関ヶ原』は、以前1981年にTBSが森繁久彌(家康役)と加藤剛(三成役)のダブル主演で長尺ドラマとして映像化に成功しているが、今回の映画化については、日本初の“世界戦略時代劇”になると力を込めている。TBSドラマ版では島左近役の三船敏郎始め、本田雅人役の三國連太郎など、「奇跡のキャスト」と言われたものだが、映画版では今のところ3人のキャストしか発表されておらず、他のキャストはベールに包まれたままだ。発表が待たれる。
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●岡田准一(石田三成 役)のコメント
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日本で一番の大合戦「関ヶ原」が映画化されることを僕自身、
今から楽しみにしています。歴史好きとして、本来の人物像に近いであろう
「石田三成」を演じることができ嬉しく思います。
原田眞人監督のもと役所広司さん、有村架純さんを始めとするキャストの皆様、
スタッフの皆様と全力で撮影に挑みたいと思います。。
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●役所広司(徳川家康 役)のコメント
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信長、秀吉など、数々の戦国武将の成功と失敗を間近に見て
学んできた家康が、人生最大の大博打「関ケ原の戦い」に挑み、
勝利するまでの心の動き、今からワクワクしています。
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●有村架純 (初芽役)のコメント
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この度、初の時代劇に挑戦させていただくことになりました。
言葉や所作、アクション、一から覚える事がたくさんありますが
出演されるキャストの方々のお芝居を見て勉強しながら、
その時代を生きた人物として、石田三成の腰元として女を忘れ
しっかりと役目を果たしたいなと思います。精一杯頑張ります!
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●原田眞人監督のコメント
なぜ、今「関ヶ原」か?
25年前、司馬遼太郎原作「関ヶ原」の映画化を熱望したことがあります。その時の心境は、単純に言えば、日本の歴史上、もっとも有名な「天下分け目の合戦」を日本映画の巨匠たちが描かなかった不思議への挑戦です。主役は島左近でした。原作の第一主役石田三成でもなく、第二主役徳川家康でもなく、第三の男である雇われ武将島左近の、最後の戦場としての関ヶ原に、強く惹かれたのです。
18年前、「関ヶ原」を考えたときは司馬史観からは離れ、通説の「裏切り者」である小早川秀秋が主役でした。調べれば調べるほど、関ヶ原に於ける最年少武将19歳の秀秋の決断は裏切りではなく、年月をかけた豊臣の権威への「復讐」に違いないと思うに至ったからです。「徳川史観」は無論、勝者に都合のよい歴史書であり、多くの作家たちの秀秋軽視論の背景には若さへの侮りがあるのではないか、とも思えました。
その5年後、『ラスト サムライ』に出演することで大掛かりな合戦シーンを目の当たりにして、また新たな「関ヶ原」の構想が湧きました。『ラスト サムライ』を超える日本発の世界戦略時代劇を作りたい!という思いです。
この時の主役は、島津維新入道。つまり、島津の退け口、と呼ばれる退却戦です。関ヶ原の戦場で、戦いの帰趨が決まるまで三成に味方することのなかった頑迷薩摩勢が、敗戦の途端、敵陣に向かって退却行を始め、合戦当初1500名いた将兵が、二週間後、故国にたどり着いた時には僅か88名だった、という、世界戦史史上の最も勇壮な「愚行」です。
こういった紆余曲折、あるいは人生の試練を経て、私がたどり着いた「関ヶ原」は、結局、司馬遼太郎原作の石田三成でした。
司馬先生は、太閤秀吉が天下を取った術を、「利害を持って説くだけで、正邪ではなかった」とし、秀吉が「天下に号令して以来十三年、なるほど世に秩序はできたが、利害で固まった秩序だ」としています。三成はそこに育ててくれた秀吉のこしらえた「悪」を見出し、「正義か不正義かと判断して」兵をあげるのです。
島左近が三成の家老になるキーワードは、「天下悉く利に走るとき、ひとり逆しまに走るのは男として面白い仕事」の一点です。そして、この一言こそ、今を生きる我々の指標とすべき生き方ではないでしょうか。
天下悉く利に走るとき、理念をもって流れと逆しまに走ることは、男にも女にも面白い仕事、生きる道なのです。
国家の在り方が問われるこの不確かな時代を生き抜くために、我々にはもう一度、それぞれの立場で「正義」を問い直し実践する急務があります。
正義とは一言で言えば、人間の価値です。
「人が国家を形づくり国民として団結するのは、人類として、個人として、人間として生きるためである。決して国民として生きるためでも何でもない」と言ったのは日本の自由主義者を代表するジャーナリストであり政治家であった石橋湛山です。リンカーン大統領とも通ずる「正義」の認識がそこにはありました。
今、三成の血を継承することの重要性を感じています。司馬遼太郎文学の素晴らしさは「正義の信奉者」のもたらすマイナス面も活写し、石田三成を偶像視していないところです。三成と敵対する徳川家康のリアリストの悪しき面と魅力も同時に捕えています。私の中にも60%の三成と、40%の家康が共存しています。そこに、「関ヶ原」を作る意義がある、と痛切に感じています。
『関ヶ原』ストーリー
西暦1600年10月21日。長く混迷を極めた戦国時代に終止符を打ち、その後の日本の支配者を決定づけた、戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”。その決着に要した時間はたったの6時間だった。
豊臣家への忠義から立ちあがり、史上最大の合戦に挑んだ石田三成。権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康。圧倒的に有利と言われた三成率いる西軍はなぜ負けたのか? そこには “封印”された真実が隠されていた! そして、三成を命を懸けて守り、愛し続けた忍び・初芽との許されない、淡い“恋”の行方は・・・。
様々な権謀が渦巻く中、多勢に流されず 己の「愛」と「正義」を信じ、貫き通そうとした“純粋すぎる武将”三成を中心に、「愛」と「野望」の激突が、今幕を開ける!!
出演:岡田准一 有村架純/役所広司
監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎「関ヶ原」(新潮文庫刊)
製作:「関ヶ原」製作委員会
製作プロダクション:東宝映画/ジャンゴフィルム
配給:東宝 アスミック・エース
公式HP:http://sekigahara-movie.com/
(C)2017「関ヶ原」製作委員会
2017年初秋 全国ロードショー
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