綾野剛主演、警察組織の不祥事をブラックユーモアを交えて描く『日本で一番悪い奴ら』公開
6月25日(土)、銀座にて、『日本で一番悪い奴ら』の初日舞台挨拶が行われ、主演の綾野剛と、共演のYOUNG DAIS、植野行雄(デニス)、木下隆行(TKO)、ピエール瀧、メガホンを取った白石和彌監督が登壇した。
この映画、「日本で一番悪い奴らは警察!?」というブラックユーモアのつまった作品で、綾野剛はあらゆる悪に染まっていく実在の人物・稲葉圭昭をモデルにした警察官を演じている。日本史上最大の警察組織の不祥事を描いた本作は、その過激な内容から映画化が危ぶまれながらもついに完成しここに日の目を見るときが来た。稲葉本人からも「映画の中の90%が本当の話」と太鼓判をもらった本作だが、メンバー一同は「不謹慎な映画」と本作を自画自賛?し、「朝からこんなにお客さんが来てるなんて、不謹慎な人が多いんですね」とメンバー一同で大喜びしていた。
綾野は、たくさんのマスコミ報道陣に対して「こんな不謹慎なこと、記事にできるんですかね。そのまま書かずにオブラートに包んでくださいね」と記者たちをなんども気にかけていたが、司会がこの映画の見どころについて監督に聞くと、さっそく、「シ○ブを打つところですね」とコメント。綾野はすかさず「この映画の感想を語り合うとき、しゃぶしゃぶ屋に行くと話が緩和されていいそうですよ」と言って会場の笑いを誘っていた。それでもあまりにもみんながシ○ブという言葉を使うものだから、さすがにこれじゃ記事にできないだろうと見かねた綾野は「言い方”クスリ”にしませんか? いや、”気持ちよくなるもの”がいいかな、いや、それだともっとよくないか」と言ってここでも一同爆笑していた。
白石監督が「実録物の作品が続いているので、僕のことを社会派の監督と思っている人もいるかもしれませんが、これは役者の映画なんです。役者の個性が輝いている作品です」と話していたように、本作は役者たちの顔のコワモテぶりや、生き生きとした演技など、見応えも多い。綾野は植野が切り掛かってくるシーンで、植野がちゃんと段取り通りにやらなかったことでなんども切られてしまい、アドリブでつい心の声(汚い言葉)がポロっとそのまま出てきたことをその場で実演しながら説明する場面もあった。「ここ、きちんと記事にしてくださいね。彼の今後の芸能人性に影響を与えたいんで」と綾野はノリノリだった。
最後に綾野は「自主規制とかコンプライアンスとか、日本が潔癖性になっている状況で、こういう作品が打ち出せるのは重要なことです。僕は少女漫画をベースにした映画も好きですが、それとは対極の作品があることによって、日本のエンタテインメントシーンが底上げされるのだと信じています。道徳を学ぶためには不道徳なことも学ぶこと。汚いものにはフタをして終わるのではなく、なぜそうなったのか過程を見つめることも大事です。この映画を皆さんでつないでいきましょう」と語りかけ、舞台挨拶は幕を下ろした。
『日本で一番悪い奴ら』は現在公開中。