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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』 ディズニーの映画としてついに幕を開けるときがやって来た

12月11日(金)、舞浜シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルにて、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の来日記者会見が行われ、J.J.エイブラムス監督と、出演者のデイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、アダム・ドライバーが登壇した。

ついに『スター・ウォーズ』の正式な続編の公開が迫ってきた。エピソード3が公開されて、これでもう終わったかと思ったファンも多かっただろう。J.J.エイブラムスの監督で新作が動いているというニュースにはファンを驚かせたものだ。『スター・トレック』の新作を作った人の手で『スター・ウォーズ』が作られるという驚き。コッポラが『ドラキュラ』と『フランケンシュタイン』を作ったみたいな、一人のマエストロ誕生を見た感じである。『スター・トレック』と『スター・ウォーズ』の派閥争いがまた面白い方向に広がって来た。

新作には、デイジー・リドリーはじめ、まだその名がまったく知られていない新人俳優が起用されているが、これも初代作品のマーク・ハミルら3キャストの関係に近しいものを感じる。彼女たちがその後ハリソン・フォードにあやかってトップスターになる可能性も秘めているのだと思うと、今後の映画業界がまた楽しみになってきた。

そして、この新作にはマーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ハリソン・フォードが出演しているのだというから嬉しい話だ。さらにC-3PO、R2-D2、チューバッカも以前からずっと続けてきた中の人が今回もちゃんと演じてくれているようで、ファンの心をわかっているというか、作品への愛を感じさせるというか、JJの並々ならぬ本気度合いを感じさせるものがある。彼らレガシーメンバーがどのように作品に絡んでくるのか、非常に興味津々だが、映画がどのような内容になっているのかは、実は関係者を除きまだ誰も知らないという秘密主義が貫かれている。何しろマスコミ向けの試写もまったくやっていなくて、本当に世界同時公開をやろうって話だから。

記者会見では、日本の記者が「日本が大好きということなので、日本でだけ秘密を教えられる範囲で教えていただけないでしょうか」という質問もあったが、JJ監督は「ノー」と即答。「僕はなんでも知った上で見られるのは嫌いなんだ。情報が正しいのかを確認しに映画を見るんじゃなくて、もっと映画を新鮮な気持ちで、純粋に驚きを自分で体感して欲しいんだ。今の世界は情報であふれている。日本のことは大好きだけど、日本でだけちょっと秘密を教えても、今の時代では世界中に情報が広まってしまうからね。でもひとつだけ秘密を教えるけど、映画には”タカダノ”という惑星が登場するんだ。これは僕が初めて日本に来た時に泊まったホステルが高田馬場にあったから、その思い出を入れているんだ」とコメントしていた。

会見の最後にはBB-8も登場。このメカが実際にその場で動いているのを見たのはかなりエキサイティングな経験であった。筆者はてっきりCGだけの世界のメカだと思っていたが、これが見事に転倒することなく意思を持ったように動くのである。非常に重要なキャラクターだということが明かされているが、これも映画でどのように活躍するか気になるところである。

実はこの日、この記者会見の前に、東京ディズニーランドのシンデレラ城の前でフォトシューティングが行われる予定だったが、強風のために中止になった。カメラマンも100人以上集まっていて、嵐の中、強風のせいで傘もさせずに雨を浴びながらひたすら屋外で何時間も待ち続けていたのに、突然中止になったのは非常に残念であった。しかし看板でも飛んできて頭に当たりそうな強風であったし、脚立が倒れるおそれもあったし、安全面から考えても中止としたのは当然の結果だと言える。キャストたちも楽しみにしていたそうで、中止になったことは非常に残念に思っていて、会見でもそのことを何度も惜しんでいた。ディズニーランドでのこうした映画系のイベントは極めて稀なことで、中止にならなければそれを中心に記事にしておきたいくらい重要な事件だったのだが。というのも、本作のプロデューサーも、作品のプロモーションシートに「この作品からディズニーの配給になった。ディズニーこそこの映画の世界にもっともふさわしい映画会社である」と力を込めて書き添えていたので、今回の一連のプロモーションでも”ディズニーのスター・ウォーズ”を強調して刷り込ませる思いは強かったはずだ。正直、ディズニーが新作の権利を買い取ったとかいうニュースが昔出た時にはミスマッチすぎて、嘘かと思ったが、ディズニーは子供向けのミュージカルアニメばかりではなく、いろいろな顔があることを忘れてはいけない。こうしてなんの違和感もなく現実になったのだから。

ジョン・ウィリアムズの勇壮なテーマ曲にぴったりマッチしていた、あの”ファンファーレ”は他社ロゴのために当然封印されてしまうはずだが、これからはディズニーの作品になったということで、『スター・ウォーズ』の商品価値は何百倍にも膨れ上がったと言える。買収したからにはガシガシ宣伝して儲けなければ。最近はどのお店に寄ってもスター・ウォーズのグッズを見かける。グッズの売り方にかけてはディズニーはピカイチのセンスがあるから、今後いよいよますます『スター・ウォーズ』の世界は広がって、人気を集めていくに違いはあるまい。ヨーダやジャバ・ザ・ハットのぬいぐるみがミッキーマウスやプーさんと同じ次元で売られるところがなんともファンキーではないか。来年2月にはテーマパーク事業でも映画とタイアップした『スター・ツアーズ』の新アトラクションが控えてることだし、ディズニーは社運にかけても『スター・ウォーズ』の最新作を何がなんでも是が非でも当てなければならないから我々に本気の本気を見せてくれるはずだ。ここまで重責がある中で、これが面白くないはずがない。まずはそのブームに乗り遅れないためにも、12月18日(金)18時30分の全国一斉公開には足を運んでおきたいものだ。(取材・澤田英繁)

2015年12月11日 21時48分

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