松島花、日本人として世界で闘った伝説のモデル山口小夜子の魂をここに再び
10月31日(土)、渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、『氷の花火 山口小夜子』の初日舞台挨拶が行われ、松本貴子監督と、モデルの松島花が舞台挨拶に立った。
『氷の花火 山口小夜子』は伝説の日本人モデル、山口小夜子の謎に迫ったドキュメンタリー映画である。1970年代初頭、当時の日本は欧米の真似をすることにエネルギーを注いでいたが、そんなとき、”日本人であること”を武器に、たった一人で世界に闘いを挑んだ女性がいた。その人が伝説のモデル、山口小夜子である。パリ、NYなど数多くのコレクションに出演し、イブ・サン・ローランやジャン・ポール・ゴルチエらに愛され、スティーリー・ダンのアルバムジャケットを飾った。当時は世界で最も人気のあるモデルの1人だったにも関わらず、山口小夜子の人生は数多くの謎に包まれていた。没後8年、山口小夜子と交友のあった松本監督が山口小夜子の遺品を開封したことから、この映画のプロジェクトがスタートし、完成させた。映画の公開日には山口小夜子ファンが行列を作り、劇場は満席となった。
映画の中で、山口小夜子プロジェクトとして、山口小夜子を復活させて魂を呼び寄せる計画が進められた。モデルの松島花にメイクをし、山口小夜子を再現したのである。映画を見たファンも松島花の姿を見て、「山口小夜子がおりてきた」と拍手を送っていた。
山口小夜子になりきった松島花は「ただメイクをして真似をするだけではすまされないと思ったから気合いが入りました。撮影中に記憶がなくなって自分じゃなくなっている気分がありました」とコメント。「私は小夜子さんのリアル世代で、憧れでした。こんなに綺麗な人がこの世に存在するんだろうかと思って当時のファッションに魅力を感じていました。恐れ多いことですが、小夜子さんがおっしゃっていた、服が勝手に自分を動かしてくれるという感覚は私にもあって、共感しています。ファッションが好きな方でもそうでない方でも、小夜子さん自身の人生観、素晴らしさを一人でも多くの方に見て頂きたいです」と話していた。