『ジュラシック・ワールド』監督とヒロインが日本語吹き替え版について語る
7月13日(月)六本木にて、『ジュラシック・ワールド』の記者会見が行われ、コリン・トレボロウ監督と、来日キャストのブライス・ダラス・ハワード、ニック・ロビンソン、タイ・シンプキンス、吹き替え版キャストの玉木宏、木村佳乃、松岡茉優が登壇した。
CG映画の時代の到来を告げ、大旋風を巻き起こした『ジュラシック・パーク』から22年。ついに新作が帰って来た。『ジュラシック・ワールド』の登場である。『ジュラシック・ワールド』ご一行のプロモーションの旅もいよいよ日本が最後ということで、トレボロウ監督、ヒロインのブライスも感無量といったところ。「子供の頃、父(ロン・ハワード)とトム・クルーズの映画で日本に来たときのことをよく覚えています。最後に美しくて大好きな日本に来られて嬉しいです」とガッツポーズでブライスは日本に来た喜びを語っていた。
記者会見でみんなからの注目の的になっていたのは、子役のタイくん。記者から質問があっても、慣れない感じでなかなか発言ができない。子供ならではのウブな発言に会場のみんなはほっこり。タイくんを温かく見守るように会場は温かい空気に包まれた。作中に出てくる球状のユニークな乗り物「ジャイロスフィア」についての質問では、これはCGではなく実際に作ったものだそうで、タイくんは「初めてみたときは、なんてクールなんだ! もう待てない! 早く乗りたい!って思ったけど、乗ってみたら、シートは硬いし、座り心地が悪くて、空調も効いてないんだ。この乗り物に2ヶ月間も乗らされたけど、もうちょっとどうにかならなかったのかなと思った。でも、これクールだよね」とコメント。日本語吹き替え版では、女優の松岡茉優に吹き替えられたが、松岡から「ずっと口元を見て演技をしていたので、今日こうして会えて、初恋の人に会った気分です」とコメントされると、照れて真っ赤になる一面も見せた。
こうして吹き替えキャストとの合同の記者会見は極めて稀で、吹き替えアフレコには定評がある玉木宏始め、日本の配給・宣伝においては他国に比べて吹き替え版にもかなり力を入れていることがわかる。コリン監督は「今までのプロモーションで吹き替えの人に会ったのは初めてです。日本語版には素晴らしい俳優さんが揃っていますね」とコメント。日本語吹き替え版の予告をその場で鑑賞したブライスは木村佳乃が叫ぶシーンを見て大笑い。自分の声が現地の声に吹き替えられていることを興味深く嬉しそうに見ていた。
木村は、吹き替えについて、叫びすぎて声が枯れたことを告白。さらに3日も収録に時間がかかってしまったことで、玉木宏が自分よりもセリフが多いのにたったの4時間で終わったと聞いて驚きを隠せない感じだったが、ブライスは「その場所に立って演技することよりも声だけで演技することの方がずっと難しいのよ。私も声だけの演技のときはすごく声が枯れます」といって木村を讃えていた。恐竜の怖さを知りながら恐竜を愛する主人公を演じた玉木は「13歳のときに夢中で見た映画にこういう形で関われて嬉しいです」と話していた。
トレボロウ監督は、今回スティーブン・スピルバーグ監督から直々に監督のオファーを受けたという。「本当の話だよ。スピルバーグ自身、続編を作りたいという思いがずっとあったんだ。でもそれは作って意味があるものでなければいけなかった。彼から誘われたとき、過去の作品の真似ではなくて、まったく新しい現代の若者に向けた作品にしたいと思ったんだ。目標は達成できたと思う」とこの作品にかけた思いについても語ってくれた。
すでに世界で大ヒット中。日本が最後の公開となる『ジュラシック・ワールド』は、8月5日(水)全国ロードショー。(取材・澤田英繁)