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セーラームーン役・三石琴乃 あらたなる仲間たちを迎えて

Webアニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』のイベントが、12月27日(土)、イオンシネマ幕張新都心で行われ、セーラームーン役の三石琴乃ら、セーラー戦士の声優が全員集結した。

『美少女戦士セーラームーンCrystal』は、90年代に一大旋風を巻き起こしたテレビアニメ『美少女戦士セーラームーン』を20周年を記念してゼロから作り直したもの。三石琴乃を除く全キャラクターの声優は一新されており、アニメもデジタル方式で作成され、ニコニコ動画でこれまでに12話までが世界同時配信されている。作風はテレビ放送当時とは異なり、ロマンス描写に主軸が置かれ、キス・シーンも多く、子供の頃にセーラームーンを見て育った大人たちが見ても胸がキュンとなる内容になっている。

このイベントは、13話・14話の世界最速上映に加えて、これから登場する、ちびうさ、セーラープルートの新キャストの発表を兼ねたスペシャルイベントになっていた。セーラー戦士のキャストが全員集まるということで、この日は『セーラームーン』の熱心なファンが多く集まった。客層のほとんどが大人で、おそらく彼女たちの多くは子供の頃に『セーラームーン』にハマった人たちだろう。中には外国人のお客さんも何人かいたが、筆者も学生時代に『セーラームーン』の社会現象を見ていた世代なので、ここではできる限りその世代の視点に立って記事を書きたいと思う。

やはり三石さんといったら、『セーラームーン』を始めとして数々のアニメ出演で、僕らの世代にはレジェンドになっているところがあるから、生の三石さんに会えるというのは、興奮せずにはいられなかった。それは来ていたお客さんもみんな同じ気持ちだったろう。

イベントが始まり、結婚式のBGMにしても受けそうなキラキラした音楽に乗せてキャストが登場した。これが『Crystal』の音楽。いい感じの曲である。中央に立ったのは、三石さん、その人だ。「おおお。三石さんだぁー」の感動。そして集まった声優の皆さん、全員とってもチャーミング。そして「女の子たちが集まると・・・私は女の子という感じではないけど・・・みんなで女の子同士の会話でキャピキャピしている」と三石さんが話していたように、とても仲良しで、いつも仲良く会話している様子がイベントの数十分だけでも伝わって来た。みんな笑顔が本当に生き生きしていて、見ているこちらも気持ちがよかった。三石さんは「今年でごにょごにょごにょ歳になりました」と年上であることをネタにしてたけど、それでもとても素敵で、メンバーからとても慕われている感じがした。

色々なアニメがこうして一新されていくけど、たいてい声優が全員変わったりする。でも三石さんは新バージョンでも主人公の座を射止めた。再びセーラームーン役に決まったときの心境についてはイベントでも次のようにコメントしていた。

「以前からなんとなくアニメやるのかなという空気はただよっていて、それを私がやるかどうかもわからなかった。全員キャストが変わることもこの業界では多いからドキドキしていたんですけど、プロデューサーからホットラインをいただいて、”ぜひ受けさせていただきたいと思います”というのが数年前でした。そこから気持ちを盛り上げて、色々複雑な気持ちだったんですけど、前に進もうと決心をしまして、あらたな仲間を迎えて、今はご機嫌です。物語も原作のマンガを遵守していて、私がやっていたものとは違う。世界観も恋愛がメインになっていくから、私でいいのかなと思うこともあって、またゼロから取り組むのかと、嬉しいような恥ずかしいような、そういう複雑な気持ちでした」

ちなみに、筆者は取材で文字起こしのために録音した三石さんの声を聞いて、それがそのまんまレジェンド三石さんの声そのものだったことに一人で感動してしまった。

他のメンバーは若手の声優たちだ。セーラーマーキュリー役・金元寿子、セーラーマーズ役・佐藤利奈、セーラージュピター役・小清水亜美、セーラーヴィーナス役・伊藤静、この日発表された、ちびうさ役・福圓美里、セーラープルート役・前田愛、いずれも世界のアニメファンの間で大人気の声優たちだが、そんな彼女たちも子供の頃に『セーラームーン』を見て育った世代で、三石さんのことをレジェンドとあおいでいた人たちだ。だから三石さんと共演して『セーラームーン』の一員になれたことは、この上ない喜びだったようだ。福圓さんはこの日を過去かつてないほど緊張したと言っていたし、金元さんは三石さんと生まれて初めて一緒にアフレコしたシーンが一番好きなシーンだと言っていた。でも三石さんは慢心することなく、同じ女の子として接してくれるという。だから、オフの日は、セーラー戦士たちで一緒に食事に行ってガールズトークに花を咲かせることもあるようだ。

といっても、今回のちびうさ役とセーラープルート役を誰が演じるかは絶対に秘密厳守だったので、おおっぴらにレストランとかでガールズ食事会とか開こうものなら、誰がちびうさ役なのか勘のいいファンにわかってしまう。その点にも気を遣っていたようで、福圓さんと前田さんは今まで涙を呑んで食事会に参加しなかった。でもこの日から、やっとセーラー戦士たちで一緒に遊びに行ける。もう秘密にすることはない。これを彼女たちは喜んでいた。

13話・14話の先行上映について。筆者も見させていただいたが、イオンシネマ幕張新都心のあのでっかいスクリーンで見る『セーラームーン』の迫力といったら、もうこいつはただただすごいの一語。デジタルで描かれたクリスタルの映像や変身シーンは、そのキラキラぶりにゾゾゾっと鳥肌が立ってしまった。ずいぶんとスケールの大きな愛のストーリーになっていて正直ぶったまげた。そしてテーマ曲を歌うももいろクローバーZがこれまたピッタリ。あらゆるところで90年代版を凌駕しているように思えた。「月にかわっておしおきよ」など、決めセリフは記憶の奥底においやられていたものだったので、非常に懐かしかった。これが配信で見せる「Webアニメ」というのも、時代は変わったと思わせる。しかし、「Webアニメ」だからといって侮るなかれ。あの大画面の上映にも耐えられる大スクリーン向けのクオリティーで作られているのである。

『美少女戦士セーラームーンCrystal』は、毎月第1・第3土曜日19:00よりニコニコ動画にて、最新話全世界同時配信中だ。(澤田)

2014年12月28日 23時23分

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