FOXの『グランド・ブダペスト・ホテル』、『バードマン』がゴールデングローブ賞にノミネート。今年の賞レースについて映画ライターのよしひろまさみちがコメント
12月22日(月)、新宿のシネマカリテで、FOXサーチライト社20周年とシネマカリテ2周年を記念して『グランド・ブダペスト・ホテル』のリクエスト上映が行われ、映画ライターのよしひろまさみちが登壇してトークショーを行った。
今年度のゴールデングローブ賞には、FOXサーチライト社による『バードマン』が最多ノミネートされた他、同社の『グランド・ブダペスト・ホテル』もノミネートされ、アカデミー賞受賞にも期待が高まっているところである。
よしひろは、「アカデミー賞の前哨戦と言われているものはいっぱいあって、他にも全米映画批評家賞とか色々あって最後にアカデミー賞が発表される。前哨戦と言われる中でもゴールデングローブ賞だけがこんなに注目されるのは、ゴールデングローブ賞がテレビ中継されるからなんですね。ショーアップされた賞はやはり注目されますね。ニューヨークとLAで2週間上映していれば賞の対象になるので、年度末11月から12月にかけて賞狙いの映画が公開されることが多いんですが、クリント・イーストウッドの『アメリカン・スナイパー』とか明らかに賞狙いの限定公開をしてくるんですけど、『グランド・ブダペスト・ホテル』は3月公開だから本戦を狙ってなかったのに、まさかの賞レースに入ってきちゃいましたね。ベネディクト・カンバーバッチの『イミテーション・ゲーム』はエニグマについて描いているけど決して戦争映画になってないところが良いです。今年の賞レースは男優賞が熱いですよ」と、賞レースの行方についてコメントしていた。
この年シネマカリテで最も観客を動員し、この日のリクエスト上映作品にも選ばれた『グランド・ブダペスト・ホテル』については、「皮肉が沢山詰まってるけど、スコセッシが同じ脚本を撮ったとしたらすごく嫌な感じの作品になっているだろうなというものを、ウェス・アンダーソン監督はすごくハートウォーミングな作品にしている。ウェス・アンダーソン監督は女性の強い支持がある。役者も引き立っていて、ケーキ屋のシアーシャ・ローナンはめちゃくちゃ可愛いし、名優レイフ・ファインズは本領発揮している。話のテンポ感も良いし、ウェス・アンダーソンが初めてという方も入り口としては完璧です」と評していた。