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『ストックホルムでワルツを』スウェーデンからエッダ・マグナソンが来日

12月19日(金)、新宿武蔵野館にて、『ストックホルムでワルツを』(現在公開中)に主演しているスウェーデンの歌手エッダ・マグナソン(30)が大ヒット記念の舞台挨拶に立った。

ジャズを英語ではなく、スウェーデン語で歌うことで世界的な名声を獲得したスウェーデンに実在した有名なジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの半生を描いた本作は、本国スウェーデンではなんと20人に1人が見る大ヒットを飛ばした。スウェーデン映画というと、あまり日本にはなじみがないかもしれない。しかし、スウェーデン映画の質・レベルの高さは映画通の間ではかなり知られているところで、かくいう筆者もスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンの作品には一時期かなりハマったものである。筆者の一番お気に入りの女優グレタ・ガルボもスウェーデン映画界から誕生した女優だった。エッダ・マグナソンについては正直何も知らなかったが、今回筆者が是が非でも取材せねばと思ったのは、エッダ・マグナソンがどことなくグレタ・ガルボと雰囲気が似ていたからだ。ある意味、最もスウェーデン的な美女といえるかもしれない。

エッダ・マグナソンは、スウェーデンで活動している歌手である。普段歌っている曲はジャズではないが、その歌唱力と、そして何よりルックスがモニカに似ているということで、本作で主演に大抜擢されて映画デビューを飾った。そればかりでなく、スウェーデンのアカデミー賞とされているゴールデン・ビートル賞の最優秀主演女優賞を受賞するという、もうこれから将来が楽しみでならない大型新人の登場である。

日本では先月から映画を公開しており、着実にファンを集めているところ。舞台挨拶の翌日から行ったブルーノート東京での公演は4回とも完売だったとかで、日本ではまったく無名のアーティストがこれほどの人気を集めているのは異例だとのことだ。

映画の中では主にスウェーデン語を喋っているが、舞台挨拶は英語で話した。「モニカはスウェーデンは知らない人はいない有名な人。彼女を演じることは自殺行為だと思った」と役をもらったときの心境について語っていた。でも物真似ではダメ。誰かを真似ようとするのではなく、自分の伝えたいことを自分らしく演じることを心がけたそうで、この心構えはスターダムにのしあがっていったモニカの気持ちと合致している。

モニカのスウェーデンらしいファッションの数々も見どころだが、それ以上に、ジャズファンなら知らない人はいないであろう、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」のほか、劇中で歌われているジャズのスタンダードナンバーも大きな見どころ。舞台挨拶では、最も好きな曲だという「ウォーキン・マイ・ベイビー・バック・ホーム(歩いて帰ろう)」をアカペラで歌ってくれて、観客も拍手を贈っていた。まさか映画館で彼女の生の歌声が聴けるとは思っていなかったので、これは嬉しかった。

なお、舞台挨拶には、ライブで共演したデンマークのピアニスト、ニルス・ラン・ドーキー(51)も出席した。実際にモニカと一緒に仕事をしたことがあるニルスは、エッダの声を聴いて、「懐かしい気持ちになった」と話していた。(澤田英繁)

2014年12月22日 12時51分

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