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国民的美少女、吉本実憂伝説の始まり

12月13日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷にて、『ゆめはるか』の初日舞台挨拶が行われ、主演の吉本実憂、山村美智、羽鳥潤、渋谷飛鳥、高橋美波、五藤利弘監督が舞台挨拶を行った。

この作品について語るとき、次の2点に注目して欲しい。ひとつはこの作品ができたきっかけについて、そしてもうひとつは主演の吉本実憂ちゃんの初々しさだ。

まずきっかけについて。この作品は音楽抜きには語れない。ロック通の人ならよく知っていると思うが、2008年に肝細胞がんで49歳という若さで亡くなったLOUDNESSのドラマー故・樋口宗孝の遺志を継いで、追悼プロジェクトの一環で製作が決定したものである。作品では、15歳で小児がんと戦う少女の姿を軸に、病に向き合う人々の現実や、生きたいと願う人々の明日への希望が描かれている。劇中の主題歌には、樋口宗孝のグルーヴ感あふれるドラマーをフィーチャーした楽曲『INTO THE OCEAN』が使用されているが、この曲がとにかくかっちょいい曲で、二井原実らLOUDNESSのメンバーも一部参加している他、SHOW-YAの寺田恵子や44MAGNUMの梅原達也、さらにはMAKE-UPの故・松澤浩明、その他、錚々たる顔ぶれがレコーディングに参加していて、泣ける一曲になっている。これは一聴の価値ありである。

次に吉本実憂ちゃんについて。現在は17歳の高校生。いやー、取材していて、久しぶりに癒されました。とにかく笑顔が可愛いのなんのって。全日本国民的美少女コンテストでグランプリに輝いた女優の最初の主演映画になった本作。ひょうきんアナウンサーの山村さんが「コンテストでグランプリに選ばれたのは性格の良さ」と言っていたけど、現場ではさぞや共演者を和ませてくれたことだろうと思う。そんな印象の初々しい女優さんだった。大河ドラマでは13歳で黒田長政に嫁入りした栄姫役を演じているけど、こんなに素敵な嫁さんがもらえたら最高じゃないかってそんな妄想をしてしまったではないか。

締めの挨拶では、「最後の挨拶はびしっと締めてねと言われました」と前置きをしつつ、「この作品で私自身も大切なことを学びました。この会場を出るときに大切な人を思い浮かべたりだとか、久しぶりにあの人に電話してみようかなと思ってもらえると嬉しいです。人ってこうして当たり前のように生まれて生きて亡くなって行く道筋ができてると思うんですけど、こうやって普通に生きていることは当たり前のことではないんだな、本当に幸せなことなんだなということを感じていただければ嬉しいなと思います」としっかりコメントしていた。生涯女優宣言をしてくれたし、これからも女優として一生勉強していくことを宣言してくれた。父親役の山寺宏一は「吉本実憂伝説の始まり」と言っていたそうだけど、舞台挨拶では今後がすごく楽しみな女優の誕生を見た気がする。

樋口氏と実憂ちゃんの夢が詰まった『ゆめはるか』は、現在公開中だ。(澤田英繁)

2014年12月15日 09時13分

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