『神様はバリにいる』堤真一と尾野真千子、貧乏時代を語る
12月10日(水)、新宿にて『神様はバリにいる』のジャパンプレミアが行われ、堤真一(50)、尾野真千子(33)、ナオト・インティライミ(35)、玉木宏(34)、李闘士男監督(50)が舞台挨拶を行った。
『神様はバリにいる』は、インドネシアはバリを舞台に、一人の大富豪「アニキ」と借金苦で自殺を考えた女性の交流を描いた作品。実話をもとにした笑って元気になれるありがたいドラマになっている。(ここから少しネタバレあります)
どっから見てもヤクザにしか見えないアニキの口から、さわやかに生きて行くために役に立つ言葉が次々と飛び出してくるが、そのひとことひとことが結構グッと来る。かといって説教臭くなく、「人生はドラクエや。経験値をためてレベルアップや」といった感じで関西弁の笑える言葉ばかり。「失敗した時こそ、笑え」というフレーズは作品の重要なテーマで、見終わった後もしばらく心に残る。少し嫌なことがあっても、そんなことでくよくよすることが馬鹿らしくなってくるくらいビッグハートな作品で、「ああ、良い話だったな」という気持ちにさせてくれる一本である。ダブル主演の堤真一と尾野真千子の演技バトルも見ものだが、堤が着ているTシャツのバリエーションの豊かさもパンチが効いていてなかなか笑わせてくれるぞ。
しかし、バリ島での撮影は一筋縄ではいかなかったようで、李監督一同、「よく完成したものだ」と安堵の表情を見せていた。キャストの4人もバリ島でのロケを満喫したようで、ずっと4人一緒にいて家族のような団結が生まれたと堤・尾野は笑いながら振り返っていた。ナオトは映画初出演とあって、撮影のノウハウが何もわからず右往左往したそうだが、他の3人に暖かく見守られて見事に乗り切った。慣れてくると、4人で歌しりとりをして、その自慢の喉を披露したり、撮影に来たのかUNOをやりに来たのかどっちなのかわからなくなるくらいUNOに興じたとのことだ。
一文無しから一気にアラブの石油王級の大富豪になったアニキにちなんで、登壇者もかつては貧乏だったことを明かしていたが、堤は東京に越してきて27歳まで家賃2万円の四畳半のアパートに住んでいて、3日間水だけで生活したこともあったとコメント。「水だけを飲み続けると他何もいらなくなる。痩せました」と言って驚かせたが、さらに驚かせたのは尾野で、草を取って食べていたという。といっても貧乏だからという理由ではなく、草を食べたくて食べていたそうだが。東京に来ても草を食べようとして周りの人に驚かれて、排気ガスなどで不衛生だからと止められたというエピソードも。
尾野は玉木と共演すると聞いて、最初はかっこいい!と思ったけど、実際会ってみたら「こんなイタズラ好きな人はいない。私のポーチに草をいっぱい詰めてたし、うまいことを言って私の服を脱がした」と、おもしろおかしく玉木をいじっていた。関西弁でトークする尾野は、もうバラエティ番組の顔にしちゃってもいいのではないかというほどの芸達者ぶりであった。菜々緒の水着姿でもっぱら話題になってるけど、尾野が脱ぐシーンもなかなか。そこは映画を見てのお楽しみということで。
『神様はバリにいる』は2015年1月17日より新宿バルト9ほか全国公開。(文・写真:澤田英繁)