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ピーター・ボグダノビッチ監督よりもオーウェン・ウィルソン?

10月27日(月)と29日(水)に行われたピーター・ボグダノビッチ監督による『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』のティーチインを取材した。

一映画ファンとして、せっかくピーター・ボグダノビッチ監督が来日しているのに、これを取材しないわけにはいかないと思った。『ペーパー・ムーン』など、名作も多く作っている監督だ。とくに「映画についての映画」を描くことを得意としていて、映画界について書いた本も出版しているレジェンドのひとりである。

さぞや取材陣が集まるかと思えば、ふたを空けてみると、マスコミは3社も来ていなかった。信じられない。だってあのピーター・ボグダノビッチだぜ? 同姓同名の別の人なのかと一瞬疑ってしまった。しかしそこにはまぎれも無いボグダノビッチ御大のお姿。おおお! 感動する僕。体調のため写真撮影時は立たずにずっと座ったままだったが、お年を召されても、ユーモアのセンスは衰えておらず、何を喋っても面白かった。例えば、質問者にスタッフがマイクを渡すとき、マイクを奥の人にひとりずつバケツリレーみたいに手渡しで回していたら、その光景を見て「マイクが回ってる」とコメント。その一言の喋り方が絶妙に面白くて、もうこの面白さは文章では伝えられないだろう。

そして取材二日目。今度は、急きょ主演のオーウェン・ウィルソンがかけつけることになった。これはボグダノビッチ監督のラブコールでいきなり決まったこと。なんと初来日である。初来日にしてはずいぶんと突貫工事的に決まったものなので、一日目は一番大きな映画館で満席だったけど、二日目は小さなミニシアターで行われ、しかもマスコミは30社以上殺到して映画館はすし詰め状態に。監督ひとりのときは全然来なかったのに、主演の俳優が来るってだけでこの差。やっぱり映画は役者でできてるんだなぁとしみじみしたのだった。

オーウェン・ウィルソンが登場したときの、会場の歓声といったら、そりゃあもう驚きに満ちたものだった。オーウェンは「ピーター・ボグダノビッチ監督の現場にいるということが誇りでした」と監督を立てながら撮影当時を振り返っていたが、すっかりその場はオーウェン・ウィルソンが持って行ったと言える。

東京国際映画祭での上映だったので、まだ正式な日本公開は決まっていないが、今回の上映でも非常に評判が良く、日本でも早めに配給が決まって欲しいものである。

2014年11月10日 02時01分

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