アレックス・デ・ラ・イグレシア監督・・・スペイン映画界にはとんでもない鬼才がいたもんだ
今日は、スペイン映画『スガラムルディの魔女』(11月22日公開)について書かせてもらう。
僕はだいぶ前に第11回ラテンビート映画祭で上映されたときに見たけど、つくづく自分は、映画といえば、アメリカ映画や日本映画ばかりを見て来たものだと反省させられた。もっと他の国の映画を見ないとね。
『スガラムルディの魔女』はスペイン映画だけど、スペインにこんなにも脳みそがぶっとんだ監督がいたのかと驚いた。アレックス・デ・ラ・イグレシアという監督が作っているけど、この監督、スペインではその業界で知らない人はいない鬼才とのこと。いや、恥ずかしながら、全然知らなかったよ。監督も「他の国では公開してるのに、日本ではまだだったんだ。だから公開できて嬉しいよ」と言っていたけど、いや、ほんと、こんなにすごい映画を今まで日本で公開できなかったのは本当に申し訳ないと、日本人を代表して謝りたくなった。
チラシには「孤高の天才か、それとも狂気の破壊者か」とまで紹介されていたけど、映画を見ると、その言葉が決して大げさではないことがわかる。まあ、タイトルからもわかるように、魔女が出てくる映画だけど、これがまったく予測不可能な展開で、最初は激しいクライムアクションから始まったかと思うと、途中からグロテスクなホラー映画になって、後半になると、もうしっちゃかめっちゃか。とんでもない展開に発展していく。これを畳み掛けるようにユーモラスに見せて行く手腕の凄さは、アメリカはクエンティン・タランティーノを彷彿とさせる。いや、比較するのもおこがましいか。でもそのカメラワークにはやはり天才を感じずにはいられない。
来日中は、吉木りさをゲストに舞台挨拶に立ったり、YouTube Spaceでポールダンスパーティをやったり、色々盛り上がった。パーティでは、僕も監督本人に直接挨拶できたし、監督は顔を頬にくっつけて記念撮影までしてくれて、熊さん風の本当に優しいおじさんという感じだったけど、それ以上に奥さんのカロリーナ・バングがめちゃくちゃ絶世の美女で、名監督ともなると、これほど美しい嫁さんがもらえるのかと、羨ましいったらないではないか。映画にはちょいと危ない魔女役で出ていた奥さんも旦那と一緒に来ていたけど、ただただその美しさにぼーぜん。その美貌を見るためにも映画を見る価値はあるかと。(取材・澤田英繁)