村上水軍の埋蔵金を探せ。四国版グーニーズ『瀬戸内海賊物語』公開
『瀬戸内海賊物語』の初日舞台挨拶が5月31日、新宿ピカデリーで行われ、キャストの柴田杏花、葵わかな、内藤剛志、中村玉緒と大森研一監督が出席した。
「村上水軍」。戦国時代が好きな人なら、この言葉を聞くと無性にゾクゾクするものである。村上水軍とは、戦国時代に瀬戸内海を牛耳っていた日本最大の海賊である。広島で人気の戦国武将・毛利元就に、大嵐の中、海賊の心意気を見せてみよとの誘いを受けて一日だけ協力、戦国史上最も劇的な逆転劇に貢献した。他にも織田信長軍をこてんぱんにやっつけたり、豊臣秀吉に反抗したり、とても粋な海賊であった。その頭領が村上武吉である。今、村上武吉再評価のブームが来ている。
この映画は、現代に村上武吉の血を引く少女を主人公にした冒険物語である。愛媛出身の大森監督が書いたストーリーが2011年に「瀬戸内国際こども映画祭」でエンジェルロード脚本賞グランプリを受賞。自ら映画化した。村上武吉の残したお宝を探すために子供たちが立ち上がる、宝探しムービー。○に上と書かれた村上水軍の旗が出てくるだけでも、何か子供の冒険心をぐっとかき立てる物がきっとある。四国は愛媛・香川をロケしており、主題歌は徳島出身の上野優華が歌う。”四国版グーニーズ”ともいえる娯楽作になっている。
この映画の最大の見どころは、全国1027人の中からオーディションで選ばれた子役、柴田杏花の可愛らしさだろう。映画に出ていた頃はまだ小学生で、髪もショートカットで、ボーイッシュな雰囲気だったが、この日、ようやく初日を迎えて、少し大人っぽくなった姿を見せてくれた。
柴田がしっかりと大人の挨拶をする姿を見て、内藤と中村も、「あれからしばらく見ないうちに大きくなって」と感慨深げ。今月が内藤と監督の誕生日ということで、二人にバースデーケーキと似顔絵が子役の二人から贈られたが、柴田は「私も内藤さんみたいな素晴らしい女優さんになれるように頑張ります」とコメントして笑わせた。
一方、中村は、葵が青色の画用紙に描いた監督の似顔絵を見て、「監督ってこんなにお顔が青白いんですか?」と言って会場は大爆笑だった。
『瀬戸内海賊物語』は現在公開中。