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『怪しい彼女』シム・ウンギョンの歌声がじわじわ来る映画

5月14日(水)、TOKYO FMホールにて、韓国映画『怪しい彼女』のトークイベントが行われ、主演のシム・ウンギョンが登壇した。特別ゲストとして堀ちえみが登場し、司会をマキタスポーツが務めた。

70歳のおばあちゃんが、ある日、突然20歳に若返っていた。孫のロック・バンドにボーカリストとして加入し、「歌は体じゃなくて心を揺さぶるもんだ!」とメンバーを一喝。瞬く間に若い頃の夢だった人気歌手になる夢を実現させるが、素敵な男性が目の前に現れて・・・。可愛い衣装がたくさん。オードリー・ヘプバーンを彷彿とさせるシム・ウンギョンの魅力満載のハートフルコメディ映画の誕生である。

見た目は若いけど、心はおばあちゃん。神経が図太く、口うるさくて、気品のかけらもないけれど、なぜだか憎めなくて、時々すごくチャーミングに見えてくる。このギャップのおかしさ。若者の物の捉え方と、年を取った人の物の捉え方の感覚的な違いがユーモラスに描写されて、見ている方も何か人生の新しい発見があるかもしれない。そんな映画である。

シム・ウンギョンは、子役からスタートしてキャリアを積み、まだ19歳のティーンエイジャーだ。韓国で740万人が見た『サニー 永遠の仲間たち』、韓国で1230万人が見た『王になった男』に続いて、本作は韓国で860万人を動員した。シムは桁違いの実力派、今最も韓国で映画を当てる女優といえるだろう。5月31日に20歳の誕生日を迎えるということで、スタッフからバースデーケーキが贈られ、観客全員でハッピーバースデーの歌を合唱するサプライズもあった。

本作は、奇想天外なストーリーもさること、なんといっても一番の見どころはバンドの歌である。歌の持つ声とメロディそのものがそのまま説得力を持って胸にじわじわと迫ってくる。このような感動がある映画はなかなか希有である。こういう劇中歌というものは大抵はプロの歌手に吹き替えられるものだが、シムはあえて自分で歌うことにこだわったという。

「70歳のおばあちゃんを演じるなんて、最初は自分にできるかなと思ったので、断ろうかと悩んだのですが、でももう一度台本を読んでみて、家族の意味を考えさせてくれるとても良い作品だと思いまして、出演を決意しました。最初は歌わないつもりでしたが、私が直接歌った方が見る人に伝わるとお願いしたら、スタッフも理解してくれました。プロの人が歌った方が歌はうまいですけど、慣れなくても私が歌った方が人々の琴線に触れると思ったのです。歌うことは好きで、子供の頃声楽も習っていました。ダンスも振り付けの先生がついて、おばあさんぽく踊りました。全体的に私なりの20代、私の感性も入っています」

しかし、マキタスポーツの無茶振りで「歌ってみて」とお願いされると、シムは恥ずかしそうに笑いながら「ファンミーティングのときまでには歌えるようにしておきます」と言ってやんわりとそれを拒否。マキタスポーツに「マスコミの皆さん、今、シム・ギョンウンさん、確かに歌いましたからね。歌ったって書いてくださいね(会場笑)」とフォローされる一幕もあった。

シムは劇中、ぎゃあぎゃあ大声でおばあちゃん口調の演技を見せるなど、おばあちゃん役が見事にはまっているのだが、マキタスポーツに劇中のブロッコリーヘアが似合っていると茶化されると、「私は70歳になったら、ストレートロングヘアで、あか抜けた70歳を見せたいと思います」と返して会場の笑いを誘っていた。

20歳の頃にアイドルだった堀ちえみは、「コメディ映画だと思ったら、涙もあり、母と息子のくだりはぐっとくる。懐かしい感じのする映像と彼女の染み入る声。家族で見て欲しいです。最後の最後には素敵なメッセージもあります」とコメントし、本作を絶賛していた。

『怪しい彼女』は、7月11日(金)TOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショー。

2014年5月19日 23時05分

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