『ノア 約束の舟』ダーレン・アロノフスキー監督が語る
5月14日(水)、六本木にて、『ノア 約束の舟』の記者会見が行われ、ダーレン・アロノフスキー監督(45)が登壇した。
『ノア 約束の舟』は、旧約聖書に出てくる”ノアの方舟”を映画化したもの。ジョン・ヒューストン監督がかつて映像化に成功しているが、”ノアの方舟”のストーリーだけに特化したスペクタクル大作はこれが史上初である。『レスラー』、『ブラック・スワン』のアロノフスキー監督がメガホンをとった。
アロノフスキー監督は、本作を映画化するきっかけについて、「僕が13歳のときの先生が良い先生だったんだ。そのとき、ノアについての詩を書いたらそれが優勝して、スピーチする機会を得た。そのことが、原点になっている。先生は、この映画に片目がつぶれた老女の役で出てもらっているよ」とコメントしていた。
ラッセル・クロウを主演に起用したことについては、「本作は奇跡が起きる映画だ。奇跡を信じてもらうためには、それ相応の役者が必要だ。それがラッセルだった。『グラディエーター』以来、英雄的な作品をやっていなかったけど、ぴったりだと思った」とコメント。共演のエマ・ワトソンについては、もっと大人の魅力を開花させたという。
方舟のセットについては、「聖書に説明があるから、それに忠実に作った。撮影が終わった後、全部リサイクルしたよ」とコメント。実際に実物大の箱船を作ったといい、撮影現場に、実際にそれがあるという、ただその事実だけで、大変な感動があったということが、会見の前のラッセルのインタビュー映像で語られていた。
洪水のシーンについては、「何もかも破壊してしまう洪水だから、それを説得させるだけの大量の水が必要だった。そこで、この映画のために、雨を作るマシンを作ったんだけど、それはこの手のマシンでは過去最大のマシンになった。この映画は、これまでの他のどの映画よりも多くの水を使っている。1分で5000ガロンの水を作り出せるんだ。それは、1回の撮影でサッカー場がいっぱいになるくらいの大量の水だ。これまでで最もハードな撮影だった」と、相当に大掛かりなものだったようである。
ストーリーについては、「サスペンスの要素をどう見せるかじっくり考えた。『タイタニック』の場合、船が沈没することはわかっていても、誰がどう生きのびるのかを見せて予想ができない映画になっている。僕もこの映画を予想できない展開にしたかったからね」と話していた。
『ノア 約束の舟』は、6月13日(金)TOHOシネマズ日劇1ほか全国ロードショー。