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『六月燈の三姉妹』イタリアの映画祭で上映。イタリア人は鹿児島の人と感性が同じ?

5月14日(水)、TOHOシネマズ日本橋にて、『六月燈の三姉妹』の東京プレミア上映会が行われ、吹石一恵(31)、徳永えり(26)、吉田羊、西田聖志郎(59)、佐々部清監督(56)が舞台挨拶を行った。

この映画は、鹿児島の有名な行事"六月燈"をモチーフにしたドラマである。鹿児島出身の西田聖志郎が企画し、自身も出演している。吹石一恵、徳永えり、吉田羊が三姉妹を演じているところが見どころだ。

鹿児島ではすでに先行上映していて、先日はイタリアで日本映画を上映する映画祭(WA! Japan Film Festival)でもオープニング上映を果たした。この日の上映は本州で初めての特別上映ということになる。

企画者である西田は本作に何よりも愛着を持っていたようで、この日の舞台挨拶でもかなり目がキラキラしていて、鹿児島弁とイタリア語をところどころにミックスさせながら、「イタリアの映画祭で上映したときには、”ボンジョルノ、私はマルチェロ・マストロヤンニです”と挨拶したら物凄く受けたんですよ」と得意げに話し、実に生き生きとしていた。

西田が、この映画を企画したきっかけは、この行事が鹿児島では誰一人として知らない人がいないのに、鹿児島から一歩外に出ると誰も知らないという事実に寂しさを覚えたからだという。あとは、商店街が廃れてシャッター商店街になってもその中で今も頑張っているお店もあるということで、そういうお店に元気をもらってきたから、映画でも応援したいという気持ちもあったという。

そのため、撮影中もスタッフみんなが一丸となって鹿児島を愛し、鹿児島をもりあげようとしていたそうで、吉田も「立ち位置で、”かるかん一個分右に寄って”と指示された」と鹿児島ネタを笑い話として振り返っていた(かるかんは鹿児島の銘菓)。

西田は、イタリアで上映したときの様子について、「鹿児島で上映したときとイタリアで上映したとき、鹿児島の人とイタリア人の反応がまったく同じだったことに驚いた。同じところで笑うし。感性が似てると思った。イタリア人も約束の時間に来ない。鹿児島にも薩摩時間がある」とコメントしていた。

佐々部監督は、この監督の依頼を受けたとき、その予算を見てびっくり仰天。テレビドラマよりも少なかったそうで、これはどうしたもんかとめまいがしたというが、「大きな仕掛けが無い分、人が描けるかなと思った。何かを抱えている人が一歩踏み出す映画になれるかなと。少ない予算で自分のできる範囲でどこまでやれるか考えていたら、逆にエネルギーが沸いて来ました」と、マイナス面が逆にプラスに働いたようだ。「僕もイタリア映画はビットリオ・デ・シーカとかピエトロ・ジェルミとか好きですが、イタリアで小津安二郎を意識したのかと言われて、意識してなかったんですけど、調子ぶっこいて、そうですと言いました」とも。

主演の吹石は、「なかなか大変な設定を背負った役を頂いたなと思いましたが、本読みをしたらあっという間に家族の空気感が出来上がっていました。私たちが画面に映ってないときでも家族でいられたような気がします。三姉妹にずっと憧れていたので、こんなお姉ちゃんとこんな妹ができて、とても幸せな時間でした」とコメントしていた。

『六月燈の三姉妹』は、5月31日(土)より、TOHOシネマズ日本橋、シネマート六本木ほか全国ロードショー。

2014年5月16日 22時44分

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