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小さな少年の質問が、アンドリュー・ガーフィールドの心を動かした

3月31日(月)、六本木にて『アメイジング・スパイダーマン2』のフッテージ上映と記者会見が行われ、主人公スパイダーマン役のアンドリュー・ガーフィールド、恋人グウェン役のエマ・ストーン、悪役エレクトロ役のジェイミー・フォックス、日本語吹き替え版エレクトロ役の中村獅童、監督のマーク・ウェブ、プロデューサーのアヴィ・アラドとマット・トルマックが登壇した。

このイベントは、名義上は「記者会見」ではあったが、ホテルの一室を借りて行う普通の記者会見とは趣がまったく異なり、映画館のスクリーンを使って、300人の報道陣に加えて、全国からスパイダーマンファンを400人招いて、盛大に盛り上がるファンミーティング形式のイベントとして開催された。

巨大スクリーンには、今回が初出しとなるフッテージ映像も上映された。その中で、ひとつ印象的な映像があった。コミコンの会場にスパイダーマンの下手なコスプレをした青年が現れ、「スパイダーマンの格好をしてコミコンに来るのが夢だった」と言ってマスクをとると、その人はアンドリュー・ガーフィールドその人だった。世界の子供たちから愛されているヒーロー、スパイダーマンになれることの喜びが伝わってくる感動の映像だった。

この他、本編予告や、スパイダーマンと悪役エレクトロとの激しいバトルシーンや、ピーターとグウェンのお茶目なやりとりが映し出され、会場が十分に暖まったところで、スパイダーマン御一行がおよそ20分遅れでようやく登場。ファンから大歓声で迎えられた。

御一行は終始リラックスしていて、冗談を言い合ったり、ファンとの交流をたっぷり楽しんでいた。クエンティン・タランティーノの『ジャンゴ』に出たことがきっかけで本作に抜擢されたというジェイミー・フォックスは、監督が真面目にコメントしている横で、突然悪役エレクトロの声をジングルみたいに入れてきたり、マイクをパーカッション見たいに叩いてちょっとしたジャムセッションを披露したり、トーク中にいきなり歌を披露して、通訳の人に「今の歌、日本語に訳して歌ってくれるかい?」と無茶を言ったり(もちろん通訳の人は苦笑いで断ったけど)、記者に日本語で質問されているときも、まるで日本語を理解しているみたいに「ハイ」と返事しながら何度もうなずいてファンを笑わせるなど、やりたい放題だった。

中村獅童が後から加わると、ジェイミーは「日本のエレクトロ役に会えて光栄だよ。日本語のセリフをやってくれないか?」と挨拶。まず最初にお手本でエレクトロの声で芝居してみせたが、中村獅童は「長すぎますね」と照れ笑いしながらも、エレクトロ役を軽く演じてみせ、ジェイミーを喜ばせた。

続いて、スパイダーにちなんで、歌舞伎の演目で使われる蜘蛛の糸に御一行が挑戦することになったが、アンドリューはこれが相当気に入ったようで、自分の首に巻きつけたり、客席まで入って行って蜘蛛の糸を投げつけて、まるで子供みたいにはしゃいでいた。

選ばれたファンだけがスパイダーマン御一行に直接質問ができるスペシャル抽選会も行われたが、厳正な抽選の結果、見事質問権を獲得したのは、スパイダーマンの格好をした小さなカイト君とカズマ君だった。

カイト君は照れながらも「えっと・・・(沈黙)・・・スパイダーマン強いですか!」と質問。この質問に会場のファンはほっこり。アンドリューは「今までの人生で僕が受けた質問の中でも最高の質問だ!」と力を込め、「スパイダーマンを強くしているのは普通の少年だということなんだ。完璧じゃないから最高の自分になろうとしている。だから強くなれるんだ」と答えた。

カズマ君は「どうやったらスパイダーマンになれますか?」と質問。アンドリューは「君はもうスパイダーマンになってるじゃないか。僕が君くらい小さかったときには、人前で質問なんかできなかった。でも君は勇気を出して質問してくれたんだ。もう君は立派なスパイダーマンだよ」と答えた。

この光景は、先ほど上映されたアンドリューのコミコンの映像にも重なる。アンドリューもかつてはスパイダーマンにあこがれる一人の小さな少年だった。小さな子供たちが無邪気に質問している姿を見て、アンドリューも嬉しそうだ。母性本能をくすぐられたのか、エマの目にも感激の涙があふれ出るのが見えた。『アメイジング・スパイダーマン』は国境を超えて、世界中の子供たちから愛されているのである。この最新作が、ついにここ日本で世界最速公開を迎えようとしている。

『アメイジング・スパイダーマン2』は、4月25日(金)から全国ロードショー。(文・澤田英繁)

2014年4月2日 16時45分

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