実写版『魔女の宅急便』小芝風花、魔女のキキ役で映画デビュー
2月20日(木)、新宿バルト9にて『魔女の宅急便』の完成披露試写会が行われ、主演の小芝風花、共演の尾野真千子、宮沢りえ、広田亮平、筒井道隆、主題歌の倉木麻衣、監督の清水崇、原作の角野栄子が登壇した。
宮崎駿監督のアニメーション映画としても知られている『魔女の宅急便』の原作をホラー映画の巨匠・清水崇監督が実写映画化した。16歳の期待のニューフェイス小芝風花が本作で魔女のキキ役で映画主演デビューを華々しく飾った。
宮崎アニメの実写化ということで、話題が話題を呼び、客席は満席。この席に立った小芝は、「めっちゃ緊張してます。本当に。こんなにたくさんの方が来てくださって本当に感謝してます。『魔女の宅急便』と聞きますと、色々な思い出、イメージがあると思いますが、10人いると10人違う意見があるような作品なので不安な気持ちもありますが、今は嬉しいです。撮影は楽しかったという思い出しかなくて、そのときは私がキキで大丈夫か、不安だったりプレッシャーがあったんですけど、今振り返ってみると、あのとき楽しかったなという思い出しか出て来なくて、本当に楽しい現場でした」と目を細めて、元気いっぱいに挨拶していた。
それに対し、尾野は、「私の映画デビューは、こんなに人がいなかったです。前列が埋まるかどうかでしたね。小芝さんは、キラキラ輝いてるし、こんなに見てもらえるのはうらやましいです。私が映画デビューした15歳のときは、映画というものもまだわかってなかったし、ただの遊びみたいな感じだったので、緊張することも知らず、このような感じではございませんでした。小芝さんは、お芝居もちゃんとできていて、私とはかけ離れているし、第一印象思ったのが、キラキラして、綺麗だな、楽しいそうだなと思いました」と小芝を羨望のまなざしで見つめていた。
宮沢も「私は11歳からモデルをしていて、初めての映画が『ぼくらの七日間戦争』で、まだそのときにはできないことだらけで、意味すらわからなくて、いつも膝ががくがくしていて、映画が終わったら、モデルに戻ろうと思ったくらい、お芝居をすることに対する劣等感がすごかったんですね。今回小芝さんと現場をご一緒して、監督からのアドバイスに対してとっても瞬発力があって、そのアドバイスにちゃんとこたえられるエネルギーがある小芝さんは本当にすごいと思いました。彼女が持っている大人と少女の狭間のエネルギーがキキと重なって見えて、撮影中本当の母親のように見守っていたような気がします」と大絶賛だ。
一方、筒井も「僕も18歳でデビューしたとき、破天荒な役で、全然しっかりしてなかった。小芝さんはしっかりしていて、デビュー当時の自分が恥ずかしいです」とコメント。
原作の角野も「楽しそうにしてらっしゃったのがこの映画の一番良いところだと思う。冒頭の出だしが原作と違う、映画ならではの導入部で、こういう風景から海のある町に出かけて行ったんだなというのが、13歳の娘の喜びとか、おびえた感じとかがすごくよくわかるような冒頭だったので、とても良かったと思いました」と清水監督の演出のうまさに合わせてキキ役の小芝を賞賛する言葉を贈っていた。
みんなから絶賛されて、小芝も「ふふふ。あー、嬉しいです。本当にありがとうございます!」と無邪気に喜んでいた。
しかし、本作は宮崎駿という偉大な監督の偉大な作品に比較される業を始めから背負っているようにも思える。その点を誰よりも感じていたのは清水監督自身だったようで、この日は、「これは実写映画です。アニメではないです。宮崎ではないです。清水と申します」と挨拶していたほど。清水監督は「皆さんがどう思われるか楽しみです。すごく無謀だなと思いながらも無謀なことが大好きなので引き受けたんですけど、タイトル、原作も有名だし、あまりにも有名な監督、有名なスタジオで作ってるから、”さあ実写どんなもんですか”って感じが絶対あると思う。僕もそう思ってますから。実写ならではのリアリティというか、色々なところで細部までこだわっているので、実は細かく見てるとたくさんいろんな発見があります」とコメントしていた。
倉木麻衣が主題歌を担当しているが、この主題歌『Wake Me Up』も現在喫茶店やファミレスなどでもローテーションでかかっていて、めきめき知名度が急上昇中だ。倉木は「単行本が出たときから愛読させていただいていました。支えられる映画の主題歌をやらせていただいて光栄です。自分が一緒にがんばっていけるような気持ちで作らせていただきました。キキちゃんが空を飛んで行く爽快感を出せたらいいなと思いまして、サウンドも私なりに表現させていただきました。今回のストーリーのように一歩一歩前に進んで行く歌詞を作らせていただきました」と作品に十分な手応えを感じている様子だった。
最後に小芝は、「また新しい『魔女の宅急便』ができました。この作品を見ていただいたあとに、一人でも多くの方に笑い顔になっていただけたらと思います」と明るく締めくくっていた。
『魔女の宅急便』は、3月1日(土)から全国ロードショー。(澤田)