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人種差別問題になった衝撃の事件を映画化『フルートベール駅で』ライアン・クーグラー監督来日

『フルートベール駅で』の日本最速試写会が2月10日、池袋で行われ、初来日したライアン・クーグラー監督がティーチインを行った。

『フルートベール駅で』は、2009年元日、22歳の無名の黒人青年が丸腰のまま、米サンフランシスコのフルートベール駅で鉄道警察に銃殺されるまでの最後の1日を描き出した社会派問題作。

全米で抗議集会が行われるなど、大きな波紋を巻き起こした事件を基にしており、人種差別という一面だけではなく、一人の人間の死がいかに悲しく、どれほど周囲の人を傷つけるものであるかを訴える作品で、まだ27歳の若手黒人監督ライアン・クルーガーが自信に満ちた筆致で描写した。

本作が初監督作品になったクルーガー監督は、日本に来たのも初めて。日本の電車に乗ったり、鮨屋で本場日本の鮨のうまさに舌鼓を打ったり、日本旅行を満喫した様子だ。

本作を作ったきっかけを訊かれた監督は、「事件の映像を見たときに感じた悲しみと怒りがもとになった。抗議運動も起きたけど、僕は映画というアートを通してこのことを伝えたいと思った。マスコミは、ある人物を描くとき、外から描こうとするけど、僕は中から描くことを心がけたんだ。そうすると主人公の人柄が見えてくるんだ」とコメントしていた。なお、本作の主演は『クロニクル』のマイケル・B・ジョーダンが務めている。

2009年はオバマ政権が成立した年でもあるが、このことについて観客からコメントを求められると、「黒人の大統領誕生は快挙だったけど、まだまだ現実ではよくなってなかった。同じタイミングだったから困惑したよ」と話していた。

『フルートベール駅で』は、2013年のサンダンス映画祭で作品賞と観客賞をダブル受賞するなど国内外で高い評価を得ており、最初はたった7館の劇場公開からスタートしたが、 異例のヒットにより1063館に拡大上映された。日本では、3月21日より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開される。

2014年2月17日 12時24分

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