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大地震後の福島を10年間記録していく映画『Fukushimaをきいてみる』始動中

3月11日は、何の日かというと、日本人なら、誰しもすぐに東日本大地震が起きた日だとわかる。今年も3月11日に震災で亡くなった人に黙祷を捧げた方も多いだろう。

あれから3年経った。大地震後の福島について、多くの日本人はその実際を知らない。

そんな福島の実際を去年からドキュメンタリーに捉えている映画監督がいる。古波津陽監督である(写真中央。『築城せよ!』の監督として知られているが、最近では『JUDGE』という映画を撮った)。この監督、誕生日が3月11日である。古波津監督は、今福島で何が起きているのかをカメラに収めるため、『Fukushimaをきいてみる』という記録映画を自主制作したのである。1年に1本、毎年福島県出身の女優・佐藤みゆきが福島の今を伝えて行くルポルタージュ映画である。去年製作したのはその10年間の最初の1年目なので、タイトルは『1/10 Fukushimaをきいてみる 2013年』というわけだ。

原発の近くの場所で計測した放射線の量よりも新宿で計測した放射線の量の方が多いことから、もう汚染がどうのこうのの問題ではないと監督は言う。映画はインタビュー中心の構成で、あれが良いとかあれが悪いとか、そういう主張ではなく、今福島を生きている人にきいたことをありのままそのままつないでいる印象の作品だ。原発推進派も原発反対派も対等の立場で見られるだろう。「除染」というものはいったいどうやっているのか、また、汚染された土はその後どうなったのか、福島の人にきいてみると、我々の知らないことばかりである。

この映画は監督がボランティアで作ったものである。上映も最初は身内での無料上映から始まった。その後、口コミで作品の情報が広がり、様々な地域や団体のところに招待されて無料上映を続けている。上映要望があればどこでも出向いて上映するという。

自分の足で福島の取材を続けて、それをひたすらカメラマン柏崎佑介が撮影していく。取材には必ず監督が立ち会っている。監督は、今後も言われなくても勝手に続編の製作を続けて行くと話している。10年とは思い切ったものである。一本一本の製作規模は小さいが、10年という歳月はあまりにも壮大である。10年後には福島も大きく変わっているかもしれない。それと同時に、インタビュアーの佐藤みゆきの10年間の成長も見守って行きたいと思える作品である。(取材・澤田英繁)

2014年3月11日 22時41分

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