葉七はなこ監督の実話を自ら映画化 介護映画『かあちゃんに贈る歌』
1月12日(日)、ヒューマントラストシネマ渋谷にて、『かあちゃんに贈る歌』の舞台挨拶が行われ、葉七はなこ監督、あいはら友子、今谷慶介、山段智昭、桜幸叶、石井美優、ジェニーいとうが登壇、その他エキストラのメンバーがイベントに出席した。
『かあちゃんに贈る歌』は、介護について描いた作品。あいはら友子さんが母役、西方凌さんが娘役を演じている。
葉七監督は、「この映画は私が亡き母を介護していたときのことをモデルにして製作しました。一部介護問題を取り上げていて、少しフィクションが含まれていますが、ほとんどが私の実話をもとに脚本にしました。福祉関係の方には家族のようにお世話になりまして、利用者の母だけじゃなくて、私にまで温かい言葉をかけていただきまして、よくしていただきました。福祉の方もスペシャルサンクスで名前を出させてくださいと言ったら、大阪弁でがんばりやと励ましてくださいました。現在介護をされているたくさんの方の励みになれば幸いです」と挨拶した。
本作は、葉七監督の思いが詰まった作品である。劇中、母親のために贈る歌は、実際に葉七監督が母親に贈った歌である。あいはらさんは、「歌が良いですね。魂の響きがあった」とコメント。葉七監督は「下手くそで、音程がたまに外れているところがあります。亡くなる最後に母にプレゼントした歌なんですね。本当だったら、音程が外れているところをちゃんと録り直した方がよかったんですけど、母にプレゼントして母が聞いてくれた歌なんで、そのまま最後に流させてもらいました。全然泣いたことがなかった気丈な母がそのときだけは泣いて喜んでくれたんです。今もあの歌を聞くのはつらいんですけど」と話していた。
あいはらさんは、「はなこさんのお母さんがどんなに素晴らしいお母さんだったか。実際の洋服を着て出たので思い出されたと思います。最後はぶっつけ本番で、天国からお母さんがおりてきて私に乗り移ったようで、わんわん泣いてました。プロデューサーのお母さんが亡くなられまして、葉七さんのお母さんと一緒になったストーリーになっています。親孝行したいときには親はなし。私は早くに母を亡くしましたが、お母さんを同調させて映画を見てくれたらいいかと思います。温かい心の映画に出ることができて本当に嬉しく思います。お母さんって本当にいいものですね。本当に良い映画に出させていただいたなと感動しています」と感謝しきりだった。