BiS主演映画初日、熱心な若手ファンで埋め尽くされた映画館
1月11日(土)、テアトル新宿にて、アイドルグループBiSの主演映画『アイドル・イズ・デッド ノンちゃんのプロパガンダ大戦争』(公開中)の舞台挨拶が行われ、BiSメンバーのプー・ルイ、ヒラノノゾミが、共演者の柳英里紗、三浦透子、金子沙織、國武綾、大島葉子、三輪ひとみ、水澤紳吾、そして加藤行宏監督と共に登場した。
BiSは、「異端アイドル」だったり、「破天荒アイドル」だったり、いろいろな呼ばれ方があるアイドルグループである。リーダーのプー・ルイの決め言葉は「ぷーぷーぷーぷーおならプー! BiSのリーダー兼ヨゴレ担当のプーちゃんことプー・ルイです」。この決め言葉からもわかるように、一筋縄ではないアイドルということだ。そういうBiSのスタイルが、映画の世界にぴったりマッチして、アナーキーなアイドル戦争映画がここに誕生した。
初日は立ち見が出るほどの満席状態。テアトル新宿前にも「研究員」と呼ばれるBiSファンの若者たちが集まり、みんなでBiSの素晴らしさについて語り合っている様子が見られた。我々取材で来ていたマスコミ関係者も研究員の仲間と勘違いされて、研究員の人たちにノリノリで話しかけられたり、若い女性レポーターに名前を聞いたりして輪を広めようとしていたものである。
映画館の中でも、上映前の休憩時間を利用して、研究員たちがお互いに記念写真を撮り合って、団結していたのが印象的だった。映画を見に来ているというよりは、ライブに来ているような感覚に近かった。初日は、窮屈なほどファンで埋め尽くされていたが、それはとても若手のパワーに満ちあふれていた。
いよいよ舞台挨拶が始まり、BiSメンバーのプー・ルイとヒラノノゾミが登場すると、ファンも一丸となって暖かく拍手でBiSを迎えた。そしてメンバーが例の決め言葉を発すると、研究員たちもそれに同調するように決めポーズ。メンバーとファン、それぞれがひとつになって熱気でむんむんしていた。このときのプー・ルイとヒラノノゾミの表情がまたうれしそうで良かった。マスコミ向け完成披露試写のときには見せなかった、とてもすてきな笑顔だった。筆者の横に座っていた男性ファン2人も客席から「やばい。めっちゃかわいい。どうしよう」と独り言をつぶやいていたものである。
主演のヒラノノゾミは「今日こうやって無事に初日を迎えられるとは思いませんでした」と、公開された感動も大きかった様子だった。ヒラノノゾミの声がまた何とも言えない可愛らしさだった。加藤監督もヒラノノゾミを見て「そのポテンシャルに期待して主演に起用した」と話していた。
実はこの日、BiSから重大発表がある予定だったのだが、発表自体が中止になってしまった。いったい何だったのだろうか。
プー・ルイが監督に「映画はこれで終わるんですか?」と言うと、研究員たちが「え!なんだ?どういうことだ!?」とざわついて、一瞬ちょっと場内が気まずい空気になったが、加藤監督は「お客さんがいっぱい見てくれれば続編もあり得る。ぜひお願いします」と言ってなんとかおさまり、研究員たちも「おお!」と大歓声をあげて興行収入に貢献してくれることを拳で約束していた。(澤田英繁)