製作期間3年、水嶋ヒロが全身全霊で挑んだ復帰作『黒執事』完成
1月18日(土)から、映画『黒執事』が公開される。この映画は、水嶋ヒロが約3年振りに映画復帰した作品である。誰もがカムバックを待ち望んでいたが、ついにそのときが来た。
性格以外は完全無欠、悪魔の執事を描く『黒執事』は、水嶋ヒロありきで製作された作品である。水嶋ヒロ本人が共同プロデューサーとして映画の企画から関わり、約3年前から製作をスタートして、役作りに半年、撮影に2ヶ月をかけた。その間、水嶋ヒロは、リーダーとしてこの映画の完成に向けて心血を注いできたのである。
そしてついに公開を目前にして1月9日(木)、渋谷公会堂で2000人の観客を迎えてジャパンプレミアを盛大に行った。3年ぶりに顔を見せた水嶋ヒロの表情は、実に凛としていた。イベントには、共演者の剛力彩芽、優香、山本美月、丸山智己、大野拓朗、栗原類、伊武雅刀、監督の大谷健太郎も出席した。
イベントでは、イギリスの人気シンガーソングライター、ガブリエル・アプリンが緊急来日して主題歌「Through the ages」を歌った。実はジャパンプレミアの前日になって突然正式に決定した、まさに本当の緊急来日。「天使の歌声」という表現にふさわしい、ガブリエルの歌声が劇場に響き渡った。ガブリエルは主題歌のオファーの感想について、「本当に光栄です。映画の仕事をいただいたのがこれが初めてで、日本ということで、私は日本文化が大好きで、ありがたいです」とコメントしていた。歌い終わると流暢な日本語で「ありがとうございます」とにっこり。ガブリエルは去年だけで3度も来日しており、日本でも人気が高い。
そんな彼女を作品に起用したのは水嶋ヒロその人だった。水嶋は「天使のような美しい歌声を持つアーティストが、悪魔が主役の映画の主題歌を歌うのは皮肉めいていて面白い」という理由でガブリエルに注目し、作詞・作曲は絢香が担当、ガブリエルがオファーを快諾して、この美しい主題歌がこうして形になった。
水嶋は、役作りについて、「悪魔という説得力をもたさなければならなかったので、ただアクションをするんじゃなくて、人間を超越した部分を見せつける部分がありました。大変な練習の日々でした」と振り返った。山本美月は「水嶋さんを最初見たときには泣いてしまいました。思い描いたセバスチャン像そのままで、私もこの衝撃を皆さんに与えられるのかという心配が募って泣いてしまいました。2ヶ月前から練習して全身全霊で演じさせていただきました」とコメントしていた。
司会から「みなさんに今年の抱負について聞きたいです。映画のヒット、それはもちろんわかっていますので、”映画のヒット以外で”、抱負を聞かせてください」という質問があったが、それでも水嶋は「今の僕にはとにかくこれしかないので。僕はこれだけのためにすべてをかけてきた」と力を込めた。剛力と優香と山本も水嶋に続いて「私も『黒執事』のヒットが一番の抱負です」と同調した。剛力は「水嶋さんの3年振りの復帰作にご一緒させてもらえて嬉しい。みんな待っていたと思います。水嶋さんは一番前に立って私たちをひっぱって支えてくださいました」と話していて、いかに水嶋がこの作品に心血を注いで来たかがわかる。
最後に、水嶋は改まって「僕はこの勝負に勝ちたい」と言って背筋をしゃんとのばした。「共同プロデューサーとして企画の立ち上げから今日にいたるまで二年半、役者としては半年の役作りと一ヶ月半の撮影期間、あわせて7ヶ月半、本当に『黒執事』のために費やしてきました。クリエーターとしても役者としても今の自分にできる精一杯を詰め込んできたからこそ、評価されるかどうかの勝負だと思っています。僕はこの勝負に勝ちたいです。どうぞ、映画『黒執事』の世界をこれから心行くまでご堪能ください」と水嶋は力を込めた。(澤田英繁)