『HO~欲望の爪痕~』主演の横山美雪、「ブログの炎上が土台になった」と語る
1月12日(日)、オーディトリウム渋谷にて、『HO~欲望の爪痕~』の舞台挨拶イベントが行われ、ゴーゴーダンサーが踊る中、ヒップホップにのせて横山美雪、虎牙光揮、桃宮もも、D.O、中原翔子らが登壇した。
本作は、日本のヒップホップシーンで欠かすことができないD.Oの原案と主題歌で、渋谷で違法売春を行う二人の女性が様々な欲望にむしばまれていく様を描くアンダーグランドストーリー。数々の映画でアクション演出してきた柴田愛之助が監督を務め、横山美雪が主演に起用された。
舞台挨拶では、ゴーゴーダンサーのダンスパフォーマンスがあるなど、普通の舞台挨拶にはない異様な雰囲気で始まった。映画に関わった多くの出演者や関係者が舞台に立ち、パーティムードで舞台挨拶は進行していった。
登壇予定だった桃宮ももが遅刻して最初来ていなくて、舞台上でD.Oが桃宮に電話をかけて「なんだと!もう始まってるんだからとにかく”手ぶら”でもいいから早く来い!」と急かす一幕も。しかし、息を切らせて劇場にかけつけた桃宮はなんと素っ裸。胸を手で隠す「手ブラ」で登場し、場内の笑いを誘った。
タイトルの『HO』は、売春婦を意味する「Hooker」の頭文字2文字を取ったスラングである。渋谷ロケで作られたこの作品にはスラングが似合うということで、様々なスラングの候補の中から『HO』がベストだろうとされ、決定した。この言葉は本作の重要なキーワードとなっている。
主人公の売春婦アンナを演じる横山美雪は、この映画に出演した思いを、次のように語っている。
「最初の土台は、ブログの炎上だと思っています。私、以前ブログが炎上してるんですね。AV女優だから幸せになれないとか書かれて、私は納得がいかなくてブログで掘り下げたら炎上しちゃって、すごく悔しくて、マネージャーにも話して、見返してやりたいと思って、そこから始まったんです。ブログが炎上したのは2・3年前だったと思うんですが、その後も私も子供だったなと思いましたけれども。ギャーギャーこっちが言い返してもかっこわるいから、何か別の形でわからせるような形でどうだって。
私とアンナの共通点ですが、こんな世界でもがんばってる人がいるという、もちろん私に言葉をぶつけてきた人たちにも見て欲しかったし、もやもやしながらストレス抱えて生きていた人たちとか、後ろめたい人たちがなにかやっていたとか、そういう心情まで映画では描かれているので、その道の人たちが共感するんじゃなくて、もしかしたらこの町で生きている人たちが共感しやすいんじゃないかって。
最初は映画でもからみのシーンもあったんですよ。でも監督にブログが炎上したことを話して、からみのシーンはやらないことになったんです。横山美雪だからエロがないといけないんじゃなくて、アンナにとってエロのシーンが必要かということなので、アンナがそれを求めればエロのシーンもやりますけど、アンナはそう簡単に男の人に心は開かないし股も開かない人だと思うので。私は横山美雪として出るのではなく、アンナを演じるよう心がけました。
上映は一週間限定ですが、その後地方で公開予定です。地方でももちろん舞台挨拶に行きます。少しでも多くの人に見てもらいたいので」
横山にとって、映画の主演女優としての舞台挨拶はこれが初めてだった。横山の決意を感じさせる作品『HO~欲望の爪痕~』は、1月11日(土)から17日(金)までオーディトリウム渋谷にてレイトショー。その後、全国順次公開予定である。(取材・澤田英繁)