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日本・インドネシア合作『KILLERS/キラーズ』空前絶後のバイオレンス映画に自信

12月20日(金)、六本木にて日本とインドネシアの合作映画『KILLERS/キラーズ』の記者会見が行われ、フッテージ映像がマスコミ記者に向けて世界初公開された。会見には本作を監督したインドネシアのモー・ブラザーズ(ティモ・ジャヤントとキモ・スタンボエル)と、主演の北村一輝(44)、共演の高梨臨(25)が出席した。

日本とインドネシアが合作して映画を作るのは、これが初という。しかもその映画がバイオレンスに満ちた作品ということもあり、この日の記者会見は、クラブを会場に使い、ある種のお祭り感覚の中で行われ、記者たちにもワンドリンクが振る舞われた。会場には監禁されて縛られている美女の姿も見られ、異様なムードに包まれていた。

初公開されたフッテージ映像では、東京とジャカルタを舞台に、むごたらしい殺戮シーンが次々と登場し、直視できずに下を向く女性記者もいた。

北村は、この映画に出演したいきさつについて、「最初、まったく登場人物に共感できなかったんですよ。これは人間としてダメでしょ。どうしてこんな映画を作る気になったのか最初監督に訊いてみたのですが、アジアでもこういう映画が作れることを世界に示したいんだと言われて、僕の演じる役は、人間を超越した神のような存在なんだと言われて、共感できる人物だけを演じることが役者ではないと思いまして、出演することにしました」と話していた。

北村は、記者から「日本を代表する俳優の北村さん」と言われてニンマリしながら両手を持ち上げるジェスチャーをしたり、会見中も終始ユーモアを交えて記者陣の笑いを誘っていた。日本の映画製作に比べて3倍ものスピードで撮影が進んでいったということで、北村と高梨もおおいに刺激を感じられた現場だったという。

監督は、ティモがノッポの方で、キモがメガネの方である。モー・ブラザーズとは言っているが、ただ仲がいいだけで血のつながりはない。モー・ブラザーズはインドネシア最強の監督タッグとして注目を浴びているが、実は二人とも日本映画にとにかく強い関心が昔からあったという。「ありきたりと思われるかもしれないけど、やっぱり僕も黒澤明監督にはすごく影響を受けたんだ。彼の『赤ひげ』を見てから僕は映画の世界に入りたいと思った」と語るキモ。一方、ティモも「僕は『リング』に影響されたね。日本とインドネシアの合作の作業は大変なことだったよ」と話していた。

二人の監督から「Kazuki San」と親しみを込めて呼ばれていた北村は、二人について「キモは大人で、ティモは子供なんですよ」とわかりやすく分析していた。これを聞いたティモはうれしそうに北村の肩を抱いていた。どうやら天真爛漫なティモと冷静な判断を下すキモ、この両名のバランスで映画は成立しているようだ。モー・ブラザースは三池崇史監督をかなりリスペクトしていて、三池監督の『龍が如く』を見て北村の演技に惚れ込んだことを振り返っていた。

モー・ブラザーズもキャスト陣も、アジアではかなり珍しい部類と言える本作にかなりの自信を見せている。サンダンス映画祭にも正式出品が決定しており、そこで1月20日にワールドプレミアを行う。日本では2月1日から世界最速公開され、インドネシアでは2月6日から公開される。(Hideshige Sawada)

2013年12月23日 22時40分

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