日本・シンガポール合作『恋するミナミ』主演の美人女優が神戸で一般の男性とデート
12月21日(土)、オーディトリウム渋谷にて、『Fly Me To Minami 〜恋するミナミ〜』の初日舞台挨拶が行われ、監督のリム・カーワイと、主演のシェリーン・ウォン、ペク・ソルア、小橋賢児、共演の藤真美穂、製作総指揮の加藤順彦が登壇した。
『恋するミナミ』は、大阪ミナミを舞台に日本・香港・韓国と国籍の異なる4人の男女のほろ苦い恋愛を描く日本・シンガポール合作映画。
大阪ミナミで育ち、現在シンガポールに住んでいる加藤順彦プロデューサーが、リム・カーワイの『新世界の夜明け』を見て、外国人の視点から描く大阪の世界が面白く、一緒に何かできないかと考えたのがこの映画の企画の発端である。それからTwitterでプロデューサーと監督が話しているうちにこの映画の企画が実現するに至った。4人の男女役には東京出身の小橋賢児、熊本出身の竹財輝之助(ドラマの撮影のため舞台挨拶には欠席)、クアラルンプール出身のシェリーン・ウォン、ソウル出身のペク・ソルアと、国籍も故郷も全く違う役者たちが大阪に集まることになり、慣れない関西弁のセリフにも挑戦してもらった。
小橋はそれまで旅に出ていたが、「監督から、”君じゃないと困るんだ”と言われて出演することにしました」と6年振りに映画出演することになったことを感慨深げに語っていた。関西弁のセリフについて「僕の関西弁、おかしいかもしれないので、少しでもおかしいと思ったらダメって言ってくださいっていつもスタッフの方にお願いしてました。監督はその辺は適当で、僕がどんな関西弁を喋ってもオッケーと言ってくれるんですよ。でも監督はずっと日本に住んでるのに、日本語がおかしいですよね」と監督をいじって笑わせていた。
一方、カーワイ監督は「ウォン・カーワイではなく、リム・カーワイです。『恋する惑星』じゃなくて『恋するミナミ』に来てくれてありがとうございます」と挨拶するなど、舞台挨拶でも独特なムードメーカー役を務めていた。カーワイ監督は「大阪を歩いていたらアイデアが色々沸いて来た。今後も日本で色々作品を作りたい」と意気込みを語っていた。
大阪が舞台ということもあり、『恋するミナミ』は関西地区では東京よりも一週間早く公開されており、そのときにもシェリーンとペクはわざわざ来日して舞台挨拶に立ってくれた。ペクは「大阪では通訳もいなかったのであまり喋れなかったけど、アットホームな感じでした。東京は通訳もいるし、雰囲気も違って、ちょっと緊張しますね」とコメントしていた。
二人の主演女優について、シェリーン・ウォンは、ミス・マレーシアとミス・アジアに輝く人気モデルであり、現在は香港を拠点にして歌手・女優として活動中だ。ペク・ソルアは韓国の映画・テレビ・舞台などで活躍する人気女優・モデルだ。二人とも見ての通りのべっぴんさんである。舞台挨拶が終わっても、チケット売り場でサインをしたり、一緒に写真撮影に応じるなど、気さくにファンサービスをしていた。
実はこの二人の主演女優とデートができる特別企画が神戸で行われていた。元町映画館が企画したもので、当選したラッキーな二人の男性はこのべっぴんさん二人を連れて、神戸の町を自由にダブルデートできるという、なんともユニークな企画である。元町映画館は地元の映画ファンに根強い人気がある映画館で、東京でしか公開しないようなミニシアターの作品も積極的に上映していて、非常に良心的な映画館である。ヒロインと本当にデートができちゃうなんて、映画の世界が現実になったようで、こんなに素敵な企画はなかなかないだろう。
幸運にも週刊シネママガジンでは当選者の方を直接取材させてもらうことができた。当選したラッキーな男性は、なかにしさん(54)とやすださん(33)だ。なかにしさんは、デートの思い出について、次のように語った。
「シェリーンさんもソルアさんもスクリーンで見るよりも数倍綺麗で驚きました。二人とも綺麗すぎて、僕は緊張しまくってました。シェリーンさんは知的で冷静なお姉さん、ソルアさんは何を見ても楽しくはしゃぐ可愛い妹みたいな感じで、二人はとても仲が良かったです。お互いにスマホで神戸の景色を撮ってましたが、ソルアさんはシェリーンさんの倍ぐらい自分を入れて撮ってましたね。歩いていると喫茶店の外にセントバーナードが繋いであって、二人が恐る恐る近づいて写真を撮ったりなでたりしている姿がとても可愛かったです。写真を撮るときはシェリーンさんは少しポーズをするくらいですが、ソルアさんはいろいろなポーズをするのも対照的でしたね。途中、おしゃれなビストロでティータイムの休憩をした時にプレゼントを渡したのですがとても喜んでくれました。大阪で食べたラーメンが美味しかったらしくて、二人ともずっと”ラーメン、ラーメン”と言っていたのがこれまた可愛かったです。シェリーンさんは香港でCDデビューをしてるので、歩きながら時々歌を口ずさんでました。ソルアさんは少し日本語ができて平仮名が読めるので、歩いていると”こ・う・べ・・・”と看板なんかを読んでました。その二人の姿がこれまたキュートで可愛くて、それ以外の言葉を思いつきません。当たり前と言えば当たり前なのですが、実際の二人は映画とは全然違っていて、会って話をしてみるとますますファンになってしまいました」
このデートのあと、元町映画館で上映前に舞台挨拶をやる予定だったのに、2時間のデートの予定が3時間も経過していて、上映前ではなく上映後の舞台挨拶に変更になったとのこと。当選者は監督の無茶振りで舞台にもあがらせてもらったとのことだ。実にうらやましい話である。
『Fly Me To Minami ~恋するミナミ~』は現在公開中。(澤田英繁)