『大脱出』アーノルド・シュワルツェネッガーが生涯現役宣言
去る12月3日(火)、六本木にて『大脱出』のジャパンプレミアが行われ、アーノルド・シュワルツェネッガーが登場した。
『大脱出』は、シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーが共演するアクション映画だ。かつてはアクション映画の二大トップスターとして、ライバル関係にあった両横綱がついに相並ぶときが来たのだ。『エクスペンダブルズ』のときとは違う。今回は対等なタッグ作品である。ポスタービジュアルを見てみると、スタローンとシュワルツェネッガーのドアップの顔がでかでかとそのポスターの大部分を占めている。このポスターを見て熱くならない人は映画ファンとは言えないだろう。
『ラスト・スタンド』での映画業界カムバックはシュワルツェネッガー・ファンを涙させるほど、見事な完全復帰だった。そのときにシュワは日本にもPRで来てくれたのだが、実にあれから9か月ぶりに今年2度目の来日を果たしたのである。年に2回来るのは相当なものだ。スタローンと一緒に来ていたら最高だったのだが、贅沢はいうまい。シュワが来てくれただけでも嬉しいことだ。シュワは「日本のファンはとても忠実で大好きだ。40年前から何回も来ているけど、いつも日本に来るのは楽しみにしている」と言っていた。
シュワはこの映画が決まったいきさつについて、次のように話している。
「スタローンに礼がいいたい。スタローンから電話がかかって来たんだ。"ついに俺たちが一緒に共演できるシナリオが見つかったんだ"ってな。"ついに俺たちがスクリーンで激突するときが来たんだ"って言われたから、"きっと俺が勝つさ"と言ったら、"いいや、俺が勝つに決まってる"って言われて、"だったらカメラの前でどっちが勝つか試してみようぜ"ってことになってこの話が実現したのさ」
熱い。実に熱いコメントである。さらにシュワはこう続ける。
「かつて俺とスタローンはライバル同士だった。今は仲の良い友達同士だ。一緒に映画を作ることを愛している。スタローンは情熱的だ。いつも全力で戦う奴さ。シナリオも書くし、絵の才能もある。俺はスタローンを尊敬している。このあと、『エクスペンダブルズ3』も撮ったんだよ。これからも俺たちは共演していきたいと思っている」
映画を愛するひとりのファンとして、このコメントには胸が熱くならずにいられない。いまだムキムキ。老いてもなおかっこよさがにじみ出る。今年で66歳になるシュワは豪快に次のように語った。
「よく、“いつ引退するか?”って訊かれるけど、これほど嫌な質問ないね。なぜ引退しなきゃいけないんだ。俺は演技が好きなんだ。ボディビルのプロモートも好きだ。俺はぶっ倒れて死ぬまでやり続けるよ。絶対に引退することはないね」
やっぱりシュワは俺たちのアイドルだよ。最後にシュワは親指をあげて満面の笑みで「アイル・ビー・バック」とお約束の一言。決まった。お笑い芸人の持ちネタばりに、ただこの一言だけでファンを熱くさせるシュワは、最高のエンターテイナーだった。
『大脱出』は2014年1月10日からTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー。(澤田英繁)