北乃きいが育った横浜の映画に主演 『ヨコハマ物語』公開
11月16日(土)横浜にて、『ヨコハマ物語』の初日舞台挨拶が行われ、北乃きい、奥田瑛二、菜葉菜、佐伯めぐみ、泉沙世子、喜多一郎監督が登壇した。
『ヨコハマ物語』は、横浜を舞台に、アマチュアバンドのマネージャー(北乃)と、妻と仕事を失った男性(奥田)が、地域の人々の温もりに触れながら、人生を再生していく物語である。横浜F・マリノス、横浜市民が全面協力して完成、初日舞台挨拶の場所も横浜が選ばれた。
北乃は「横浜の話だし、そこで育ったので、その場所で撮影できたことは幸せだと思います。この映画を見て大切な人を大切にしようと思える映画でした。祖父と祖母は早くに亡くなってるんですけど、私は奥田さんの気持ちに共感しました。その人その人でどの人かには共感できると思います」とコメントしていた。北乃は横浜について監督にもアドバイスしたという。
奥田は、「この映画を見て以来、女房を大事にしています。男性諸氏は生きてる間にかみさんを大事にしてください」とコメント。ちょうどこの日、同じ横浜で奥田監督の『今日子と修一の場合』の公開も始まったが、「舞台挨拶は一日ずらしました。どちらも愛してるので」とコメント。役者と監督の切り替えについては「10年前は一度コンセントを抜かなきゃ切り替えができなかったけど、今では自然とスイッチが入る」とコメントしていた。
かつて奥田が「不倫したい男性ランキングのナンバー1」だったことが話題になると、北乃は「知らなかったです。へえ〜」と驚いていた。菜葉菜は「奥田さんからエロスを教わろうと思っていたのに、今回の役はフェロモンを出さないおじさんだったので残念です。今回誰にも欲望を出さなかったのは、好みの女性はいなかったということですね。失礼な」と言って笑わせていたが、奥田は「好みの女性がいたにしてもいなかったにしても欲望を封印したんだよ。でも回想シーンでは市毛良枝さんとはどういう妻として生活していたのか、自分の中で構築するため、目を閉じて妄想して市毛さんに全部脱いでもらいました」とコメントしていた。
歌手でもある泉沙世子は、過去に出したシングルすべてが映画とタイアップしており、映画業界とはなじみもあるが、今回は初めて女優業にも挑戦している。「出演と聞いていたので、後ろで路上ライブをやってる女性の役かとを想像してたら、ちゃんとセリフのある役でした。しかも生まれて初めて演じたのがお風呂のシーンで、ドキドキしました」とコメントしていた。
歌手としても活動を開始した北乃は、本作ではバンドマネージャーの役を演じているが、「私はお芝居と音楽のマネージャーはわかれてないので、切り替えがなくて、バンドマネージャーを演じたことは勉強になりました。うちのマネージャーがダメというわけじゃないですけど」とコメントしていた。
ちなみに、泉が歌う「カス」が本作のテーマ曲になっていて、最初、舞台挨拶でも北乃きいらは「カス」を合唱しながら登場しようと思って裏で歌の練習を事前にしていたそうだ。しかし、いざ登場してみたら、1番ではなく2番の方が流れたので、歌いそびれてしまった。そんなハプニングもあって、照れ笑いしながらも、終始和やかなムードで舞台挨拶は終了した。
『ヨコハマ物語』は、横浜ブルク13ほか全国順次公開中。(写真・文:澤田英繁)