『すべては君に逢えたから』東京駅のクリスマス・ラブストーリー
11月13日(水)、文京区のTOKYO DOME CITY HALLにて、『すべては君に逢えたから』のジャパンプレミアが行われ、玉木宏(33)、高梨臨(24)、木村文乃(26)、東出昌大(25)、時任三郎(55)、大塚寧々(45)、山崎竜太郎(11)、小林稔侍(70)、倍賞千恵子(72)、本木克英監督(49)、主題歌のJUJUが登場した。
この映画、何がすごいかって、JR東日本が全面協力していることである。去年改装工事を終え、来年100周年を迎える東京駅を記念に映画も作ってとことん盛り上げようぜという企画で、JR東日本がかつてないほど映画にあれやこれやと様々なところで協力しているのである。鉄ちゃんなら泣いて喜ぶレベル。東京駅での撮影を可能にしたばかりでなく、映画史上初、運転席の中に役者が入って撮影も許可された。実は今まで映画の中で我々が見て来た電車は、あたかも運転席の中で撮っているように見せかけているものでしかなかったのである。しかし、この映画はホンモノである。見せかけではなく、ホンモノの鉄道の世界がドラマの一部として溶け込んでいるのである。
クリスマス公開向けの作品として、とことん盛り上げるために、クリスマスの東京駅を舞台に、様々なスターたちが交錯する群像劇にしてはどうかということで、玉木宏、高梨臨、本田翼、市川実和子ら、豪華キャストが結集した。6つのラブストーリーが展開していく様子は、東京駅版『ラブ・アクチュアリー』といったところである。レンガづくりの東京駅のこのロマンティックな雰囲気といい、もうこの冬はこれ以外にデートムービーとして他に何が考えられようか。
さて、この日のジャパンプレミアだが、客層ではとくに女性客が目立った。会場に一番最初に来た2人の女性は、玉木宏の大ファンだそうで、なんとまだ陽も昇っていない朝4:30から入り口で並んでずっと待っていたという。さぞかし寒かったことだろう。それだけに、玉木宏が登場したときの熱気は凄まじかった。高梨のマイクの調子がおかしかったとき、玉木は自分のマイクを高梨に差し出して交換したが、高梨はくりくりとした上目で玉木を見て、ただ二人のそんなささいなやりとりだけでも客席から「優しい!」「ヒュー!」と歓声があがっていた。
会場のセットも見事なものだった。会場後方の両サイドのゲートから男性と女性がそれぞれ出て来て、中央のハートマークの台のところで出会い、男性が女性をエスコートする。そのハートマークの台からステージまでは一直線でつながっていて、まるでバージンロードを歩いているような感じ。照明効果が絶妙で、ちょうどバックから強い光が当たっていて、男女が逆光でキラキラと輝いて、まるで本当のカップルのように、幸せオーラでまぶしかった。また、役者たちもハートマークの台のところで、お互いに目を見つめ合って微笑んで、本当に良い表情をしていた。
クリスマスということで、ゲスト全員にクリスマスプレゼントに何が欲しいかと司会が訊いていたが、玉木は「時間をもらって、オーロラを見に行かせて欲しい」と回答。高梨が「パソコン持ってないんで、パソコンが欲しいです」、東出が「手袋に穴があいたので、手袋が欲しいです」と現実的な回答をすると、司会が「もっと夢のあるものはないんですかね」とコメント、すると木村が「クリスマスにはホワイトクリスマスをプレゼントして欲しい」と答えて客席から「おお」と歓声があがった。「恥ずかしい」と照れ笑いする木村に対し、玉木は「恥ずかしくなんかないよ。ねえ」と言っていた。倍賞は「魔法が使えるようになって、日本全国の人たちにこの映画を見てもらいたい」と名スピーチだった。
後半からJUJUが登場して、一曲だけのライブを行った。歌った曲は「守ってあげたい」。カラオケではなく、きちんとバンドを引き連れての本格的なライブだった。この歌も実は夢のコラボ曲であり、ゆずが作曲し、JUJUに提供、作中では男性の気持ちを表現するところではゆずが歌い、女性の気持ちを表現するところではJUJUが歌っている。ひとつの曲を二つの男女アーティストがそれぞれリリースするというのは、かつてなかった試みである。関係者は「これはラブソングの名作として歌い継がれるであろう」と胸を張っている。
最後には客席をバックにフォトセッションを行い、キャノン砲(クラッカーの巨大版と思っていただければわかりやすい)を一発打って舞台挨拶は華やかに終了した。(レポート:澤田英繁)
『すべては君に逢えたから』は、11月22日(金)新宿ピカデリー他にて全国ロードショー。