ブンロク

『鑑定士と顔のない依頼人』ジュゼッペ・トルナトーレ監督も日本のおもてなしにご満悦

10月22日(火)、六本木ヒルズで行われた東京国際映画祭に『ニュー・シネマ・パラダイス』で知られるイタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が出席。最新作『鑑定士と顔のない依頼人』のティーチインを行った。

この映画ではジェフリー・ラッシュが主演を務めているが、脚本を書いている段階からトルナトーレ監督はこの主役にはジェフリー・ラッシュしかいないと考えたとのことで、それを想定して脚本を書き進め、書き上げたら即ジェフリーに送り、出演を快諾してくれたとのことだ。トルナトーレ監督は、ジェフリーについて、「彼はいつまでも一緒に仕事をしたい俳優だ。何事にも挑戦するし勇気もある。厳しい反面、遊びの気持ちを持って楽しみながら演じることができ、何よりも俳優としての仕事を愛している。彼と仕事をしたことは最高の経験だった」と語っていた。

『鑑定士と顔のない依頼人』は、ジェフリー・ラッシュ演じる天才鑑定士が、ある屋敷の鑑定依頼を受けるが、そこには姿を現さない依頼人と、世紀の発見となる美術品が待っていたというミステリー映画。物語の構図は、見るたび書き換わるとされ、一度ではなく、二度見ることを推奨している。謎と仕掛けがあって、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかも見る人の解釈次第。トルナトーレ監督は、「この映画のポイントは、偽りの中にも真実はあるということだ。ハッピーエンドととるかどうかはあなたの気持ち次第。私はポジティブに捉えているが、あなたはどうとってもかまわない」とコメントしていた。

また、司会から「ジュゼッペさん、日本に来て覚えた日本語があるんですよね。お気に入りの日本語を教えてください」と質問があると、トルナトーレ監督はにこにこ笑いながら、東京オリンピック招致の最終プレゼンで有名になった一言を引用し、「お・も・て・な・し、です。素晴らしい言葉だと思いました」と語り、会場をわかせていた。

本作では、エンニオ・モリコーネが音楽を手がけており、イタリアアカデミー賞では作品賞・監督賞・音楽賞など最多6部門を受賞した。12月13日より全国順次公開される。

2013年10月27日 23時34分

新着記事

KIYOMASA君
KIYOMASA君
(ブンロク公式キャラクター)