3年前は無名、今では大スター クロエ・グレース・モレッツ来日
10月23日(水)、新宿にて『キャリー』のプレミア上映が行われ、クロエ・グレース・モレッツ(16)が舞台挨拶を行った。
クロエは3年ぶりの来日である。たったの3年である。たったの3年で、クロエに対する世間の注目はまったくといって大きく変わった。今日の記事ではそのことについて書きたいと思う。
3年前は2011年10月18日に『キック・アス』のPRで単独来日。今回は2011年10月23日に単独来日している。3年前と季節は一致している。シネマガでは3年前のクロエも取材しているので、まずは3年前に撮った写真を見て欲しい。
3年前に『キック・アス』で来日したときのクロエ・グレース・モレッツの写真
ご覧の通り、3年前は13歳で、まだあどけない女の子という感じだった。今年は衣装もボディのラインが強調された大人なムードが漂う感じで、見た目も成長しているが、それ以上に知名度が格段に上がっていた。
監督も含めた”御一行”として来日するパターンが王道の映画業界で、クロエは3年前も今年も単独来日。一本の映画をPRするとき、単独来日というのはなかなか知名度がないと厳しいものがあって、著名な日本人の花束ゲストとか呼ばない限り、よっぽどのスターでなければ報道されないものだが、今年のクロエは、マスコミ席から客席まで全席が埋まるほど注目されていて、単独でここまで人を集められるのはすごいことである。
3年前の『キック・アス』のときは、ほとんどマスコミからも注目されていなかったので、取材席も寂しいものだった。フォトセッションでも3年前はゆっくり時間をかけてすぐ近くで何枚でも撮らせてもらえたものだ。ところが、今年の『キャリー』では、ずいぶんと距離が離れてしまった。ステージからカメラ席までの距離は人気度を示す一種のバロメータで、会場とステージが大きくなる分、それに比例してカメラ席の距離も遠くならざるを得ないわけで、取材しながら、クロエちゃんもずいぶんと遠い存在になっちゃったなぁ、と感慨深いものがあった。
クロエも「『キック・アス』で来日したときは、まだ映画が公開されてなかったから、普通の旅行者として日本観光を楽しみました。今年はみんなが知ってる女優のクロエ・グレース・モレッツとして日本を楽しむことができました」とコメントしていて、自分自身も世間の態度が3年前とはまったく変わっていることを実感していた様子だった。
最初に日本語で「コンニチハ。クロエチャンデス」と挨拶したときには会場が一気に和んだ。3年経ってだいぶ大人っぽい魅力を備えたけど、それでも今でもガールっぽいあどけなさは残っていて、そこがガールズたちに人気があるゆえんのようだ。舞台挨拶中も舌をぺろっと出したり、まさに「クロエちゃん」という愛称が日本にはぴったりだ。カメラマンもフォトセッションのときは「クロエちゃん」と親しみを込めて呼びかけ、クロエは満面の笑みで応えていた。
ガールズたちのファッションリーダーとしても注目されているクロエは、原宿の町を満喫したようで、「日本のファッションは素晴らしいです」とコメント。また、「これはミュウミュウの服で、これはプラダの靴です」と、自分の着て来た衣装のブランドについても詳しく話してくれた。客席からは「可愛い!」という声があちこちから飛び交っていた。クロエも可愛いという日本語をちゃんと知っていた。通訳の人が英語を日本語に訳している間もずっとクロエはファンに笑顔で手を振って応えていて、その姿はやっぱり16歳の少女という感じだった。
驚いたのは映画館のビルの裏通りである。10代くらいのたくさんの若い女の子たちが集まっていて、クロエが出てくるのを今か今かと待っていた。筆者はその人数のあまりの多さに驚いた。いわゆる出待ち行為は良く見かける光景だが、今回は異様なくらいで、規模がちょいと大きすぎた。クロエが登場すると一時裏通りがパニック状態に。クロエは一部のファンにサインをすると、車に乗って帰って行った。クロエたった一人のためにこれだけ多くのファンが集まったわけで、クロエはもはや3年前には想像もしなかった人気スターになっていたのだった。
『キャリー』は、スティーブン・キング原作のホラー小説を現代に置き換えて映画化した作品。11月8日(金)より、新宿ピカデリー他にて全国公開される。(澤田英繁)