平岡祐太、三浦貴大ダブル主演『キッズ・リターン 再会の時』公開
1996年に公開され、今なお日本映画屈指の名作として多くの観客に愛され続けている映画『キッズ・リターン』、あれから10年後の“シンジ”と“マサル”の運命の再会、そして彼らの<今>を描いた映画『キッズ・リターン 再会の時』。本作公開を記念し、10月12日(土)、テアトル新宿にて、主演2人の平岡祐太(29)、三浦貴大(27)、倉科カナ(25)、中尾明慶(25)、そして清水浩監督(49)が登壇した初日舞台挨拶が行われました。
若手俳優陣が集結した本イベントは、同世代であり、撮影現場でもとても仲が良かったという4人、その雰囲気は今日も変わらずの様子で、撮影エピソードやそれぞれの役について語ってくれました。
また先日、第一子が誕生した中尾さんに清水監督からお祝いの言葉が贈られると中尾さんは照れた様子でした。それを見ていた平岡さん、三浦さん、倉科さんからも「おめでとう!」と祝福されると、中尾さんは満面の笑みを浮かべ、会場からも大変大きな拍手が起こりました。
以下、舞台挨拶のやりとり。
平岡さん:平岡祐太です。今日はご来場ありがとうございます。こうやって多くの方に見てもらえて嬉しいです。
三浦さん:三浦貴大です。会場に入ってきた時、たくさんのお客さんがいて、多くの人に見てもらえたんだと思うと嬉しいです。もう十分ご褒美をもらった気分です。
倉科さん:こんにちは、倉科カナです。撮影が終わって今日公開を迎え、巣立っていったんだなぁという気持ちです。多くの方々に見てもらえたら嬉しいです。
中尾さん:中尾明慶です。お忙しいところ、ご来場いただきありがとうございます。この日を迎えるためにやってきているので、本当に嬉しいです。ありがとうございます!
清水監督:清水浩です。キャストの方もおっしゃっていましたが、今日というこの日をとても嬉しく思います。ありがとうございます。
MC:ありがとうございます。では、登壇されている皆さんにいろいろ伺っていきたいと思います。まずは、清水監督。『キッズ・リターン 再会の時』が先日開催されたバンクーバー映画祭に出品され、監督も行かれたそうですが、いかがでしたか?
清水監督:大きな反響をいただいて、ありがたいですね。切なかったという感想もあったりして。そうしたら現地で、中尾さんに第一子が生まれたって聞いて。
<照れながら深くお辞儀をする中尾さんに対して、会場からは大きな拍手が起こっていました>
MC:中尾さん、パパになった感想は?
中尾さん:感想ですか?(笑)本当に可愛いんですよね。目に入れても痛くないなと本当に思います! これからますます俳優業を頑張らないとなって。
MC:では平岡さんに伺います。ボクサー・シンジとしての迫真の演技が大きな話題となっていますが、シンジと運命的と言えるような繋がりがあるそうですね?
平岡さん:役者を始めた頃、マネージャーに『キッズ・リターン』のVHSを渡されて、シンジ役の安藤政信さんみたいな役者になりなさいって言われたんですよね。だから縁を感じますね。
MC:実際にシンジ役の話が来た時はどう思いましたか?
平岡さん:これは大変なことになったなって。(笑)でも10代の頃見た好きな映画でもあったので、シンジ役をやらせていただけて
大変光栄ですが、プレッシャーもありました。
MC:では三浦さん。これまでのイメージを覆すヤクザ役に関して、どんな役作りをしましたか?
三浦さん:いろいろ考えたんですよね。ヤクザの話し方とか、動き方とか。でも結局わからなくて・・・(笑)だから悩むのをやめて、マサルの心情を大事にして演じようと決めたんです。そうしたら、マサルから自然とヤクザという部分が出るかなって。
MC:同じヤクザ役の先輩としてお父さんからのアドバイスはありましたか?
三浦さん:聞こうと思ったんですけど、やめました。マネできないと思って。同じ役者でも、メジャーリーガーと草野球みたいなものなので。(笑)
MC:そして中尾さん。中尾さんは、オーディションでこのユウジ役をつかみとったという事ですが、オーディションを受けようと思った経緯を教えてください。
中尾さん:元々『キッズ・リターン』という作品を知っていたのもあったし、当時、2月くらいに映画化の話、しかもオーディションがあると聞いたんです。どういう形でもいいから好きな映画(『キッズ・リターン』)に出たいと思って、監督に会いました。掴み取った役だから、思い入れもあります。でも仕事柄、「今、自分はこれでいいのかな、間違ってないかな」って思うことがあるんですけど、そんな気持ちを吹き飛ばしてくれる現場でした。
MC:では倉科さんに。男の友情”がテーマの本作ですが、シンジの恋人マナミを演じてみて、実際に倉科さんがマナミの状況だったら、このシンジとマサルの友情をどう思いますか?
倉科さん:そうですね。自分の好きな彼に友達がいないのは嫌ですが、男性の友情って女性が近づけない領域かなって思います。微笑ましくもありますが、放っておかれると寂しいですよね。
MC:清水監督に。キャストの皆さんが「間の演技が難しかった」と口を揃えておっしゃってましたが、監督にとって間をしっかりとった演技とはどのような意味合いをもっているのでしょうか?
清水監督:映画をご覧になったお客さんに伝わっていると嬉しいのですが・・・。セリフで表現するのではなく、人物の内面を“間”で表現してほしくて、キャストの方々にはお願いしました。僕はほとんどテストをしないし、撮影期間もとても短かったですが、皆さんとても瞬発力があって対応してくれていました。
平岡さん:普段やっていることと違うんですよね。セリフで埋めるじゃなくて、“間”でいろいろ語るというか。でもどうしても“間”に耐えられなくなったらしゃべる!みたいな。(笑)それからボクシングシーンもテイク1で撮影が終わったりして。とてもこだわりを感じました。
MC:では引続き清水監督に質問です。来週にはポーランドのワルシャワ映画祭にも参加されるとお聞きしておりますが、意気込みをお願いします!
清水監督:キャストと皆で行きたいなと思うのですが、僕が代表して行ってきます。是非、現地のお客さんの反応が見れたらと思います。
MC:平岡さんと三浦さんに質問です。この映画に出てくる「見返してやろうぜ」という台詞が非常に印象的でしたが、平岡さん、三浦さんにとって何かこの映画を通じて見返してやりたい、といった思いなどはあったのでしょうか?
平岡さん:ボクシングのトレーニング中にいつも思っていましたね。正直、見返してやりたい人はたくさんいるし、自分を見返したいとも思います。だからそういう意味でも『キッズ・リターン』ファンにも本作を好きになってもらいたいです!
三浦さん:常に思っているんですが、自分を見返したいと思ってやっていました。
MC:続いて中尾さんに。シンジとマサルの友情を描いた作品ではありますが、「男の友情」というものは、中尾さんにとってどんなものですか?
中尾さん:僕は東京出身で地元の友達とよく一緒にいるんですが、男って無言が多いんですよね。(笑)でもそれが支えになったりして・・・。昨日のことなんですけど、家にいきなりピンポーンってオムツの箱を4箱くらいもって来たりして。地元の友達は温かいなぁって思いました。
MC:倉科さんに質問です。この映画に興味をもっていただいている女性もたくさんいらっしゃるかと思いますが、女性の方々がこの映画を観る際のお薦めポイントを教えてください!
倉科さん:少し難しい部分ではありますが、男性の心理がよくわかる映画だなって思います。それから監督がおっしゃっていたんですが、負けてもいいから忘れかけていたものをもう1度追いかけてほしいって。だから女性の方にもこの映画を見て、忘れかけていたものを思い出すきっかけになればいいなと思います。
MC:それでは清水監督、最後にメッセージをお願いします。
清水監督:2時間足らずの映画ですが、キャストやスタッフの思いが詰まった映画です。是非、多くの方にご覧になっていただけたらなと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。