舞台『ロスト・イン・ヨンカーズ』稽古中に見せた中谷美紀の素敵な大あくび
渋谷のPARCO劇場でニール・サイモンの舞台『ロスト・イン・ヨンカーズ』が上演中だ。これに先立ち、10月4日(金)、同劇場で記者会見が行われ、上演台本・演出の三谷幸喜と中谷美紀ら出演者全員が揃った。
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PARCO劇場
『ロスト・イン・ヨンカーズ』
公演日程:2013年10月5日 (土) ~2013年11月3日 (日)
作:ニール・サイモン
上演台本・演出:三谷幸喜
出演:中谷美紀、松岡昌宏、小林隆、浅利陽介、入江甚儀、長野里美、草笛光子
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この公演は、PARCO劇場40周年を記念して企画されたもので、アメリカで絶大的な人気を誇る劇作家ニール・サイモンがピューリッツァー賞を受賞した同名の舞台を三谷幸喜が演出している。三谷は、「ニール・サイモンをやるのが本当に夢で、当時この劇場で見て、当時はまだ西武劇場といったんですけど、本当に覚えてるんですけど、『おかしな二人』をここで見て僕はこういうお芝居を見たいなと思ってました。ニール・サイモンは手強い作家だなと思います。ニール・サイモンの台本を自分で書き写して勉強した頃もありましたから、僕もちょっと一体化してる部分があります。通し稽古を見ていても素敵な芝居で、僕ですら毎回感動していて、なんていい芝居だろうと思うんです。良いのは俳優たちの芝居であり、ニール・サイモンであり、自分はあまり介入するところがないのですが、やっていて、俺すごいの作ってるぞという気分になって、ニール・サイモンと一体化しちゃってます」とニール・サイモンへの愛を熱く語っていた。
主演の中谷はPARCO劇場の公演は『猟銃』以来二度目であるが、他の役者と舞台上で対話を演じるのはこれが初めて。「今回の役どころはカーニッツ家の次女です。いつまでたっても心は子供のまま成熟できないという障害をかかえています。それでいて繊細で傷つきやすく、時々衝動的に感情が激昂したりするんですけど、そんなキャラクターであるがゆえに家族の台風の目のような存在であり、また且(か)つバラバラになりかけていたカーニッツ家をまとめる緩衝剤のような役割も果たしています。素晴らしい家族に囲まれて毎日稽古してまいりました。ぜひご覧頂けると嬉しいです」とPRしていた。
これを受けて三谷は、「中谷さんはですね、さっきのコメントも素晴らしくて、言葉の間に何とか且つ何とかって、且つっていう言葉を入れる人を初めて見たんで、且つって普通は文章で使う言葉なのに、本当に素晴らしいなと思うんですけど、稽古場では意外にぼけまくってまして、大丈夫かというくらい寝てたりとか、平気で僕の真ん前を大あくびして通り過ぎたりとかですね、かなり自由にまるで我が家のリビングルームのように過ごしていた中谷さんがとても意外で、素敵なことです」と稽古場の様子を暴露して、横の中谷は赤面して手で顔を隠していた。
加えて三谷は、「松岡さんは、もうちょっとチャラチャラ人かなと思ったんですけど、こんなに台本を読み込んで、セリフの裏を考えたりとか、役の裏のキャラクターを考えたりとか、本当に細かいところ深いところまで勉強されてる、この人は民藝の俳優さんじゃないかっていうくらいちゃんと台本を読み込んでらっしゃってびっくりしました。草笛さんは、とてもお美しくてお元気で、今杖を持ってますけど、これは役作りで、本当はスキップしたりするんですよ。完璧で、ご本人は僕に何でもダメだししてくださいっておっしゃるんですけど、ダメ出しのしようがなく、あら探しのようになっちゃって本当に申し訳ないくらい素晴らしいです。今回最高の座組だと思ってるし、これ以上のニール・サイモンはないんじゃないかってくらい、空前絶後の手応えを感じています」とコメントし、作品の出来栄えに自信を見せていた。
舞台『ロスト・イン・ヨンカーズ』では、中谷美紀が声を張り上げて演技しており、映画とはまた違う、可愛い一面を見ることができる。