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堺正章リスペクトライブ　ももいろクローバーZが西遊記コスチュームで登場

9月16日（月・祝）、台東区の浅草公会堂にて、「第6回したまちコメディ映画祭in台東」のクロージングイベントと、堺正章リスペクトライブが行われ、堺正章本人がトリで登場。途中、ももいろクローバーZがシークレットアーティストとして登場した。

したコメ映画祭では、「コメディ栄誉賞」を選出して、その受賞者を讃えるリスペクトライブを実施している。したコメの数々の企画の中でもこれだけは映画と関連がほとんどないが、それでも毎年同映画祭で最も盛り上がる企画で、これがそのままの流れでイベントのクロージングセレモニーとなる。

去年の受賞者はザ・ドリフターズで、去年は上野の水上音楽堂野外ステージでライブが行われたが、そのとき近所から演奏中「うるさい」と何度も何度もクレームがあり、「今年は出入り禁止になってしまった」と総合プロデューサーのいとうせいこうは会場が変わった理由を説明していた。しかし、偶然にもこの日は東京に嵐が来ていたので、屋内のステージを選んだことは結果オーライだった。

台東区にゆかりのある浅草ジンタ、ポカスカジャン、No Lie-Sense(鈴木慶一＋KERA)、ホフディラン、NONA REEVES、堂島孝平が出演。堺正章をリスペクトする曲を一曲歌えば他は何を歌ってもOKというのがこのイベントのルール。浅草ジンタらが『あの時君は若かった』など堺のバンド、ザ・スパイダースの名曲をカバーした。ホフディランは、堺の『メリーゴーラウンド』をカバーした後、いとうせいこうのラップをフィーチャーして『遠距離恋愛は続く』を披露した。

この日、ももいろクローバーZがここに来ることは会場のどこにも書かれていない。1000人キャパの会場は満席であったが、雰囲気的に、みんなもうわかっているようだった。いよいよ『overture』が鳴り始めると、観客は一斉にサイリウムを取り出して、野太い歓声を送った。

シークレットだったのに、どうしてここまでモノノフ（ももクロの熱心なファン）が大挙したのか、ネットの情報をたどってみると、どうやらケラリーノ・サンドロヴィッチのツイッターまで情報は遡るようだ。ケラがこのイベントをツイッターで宣伝するとき、うっかりももクロの名前を書いてツイートしてしまった。ケラはすぐに書き直したが、その隙をモノノフたちは決して見逃さなかった。チケットはすぐに完売した。

実に来場者の過半数がモノノフだった。1階席こそ約半数だったけれど、2階席と3階席に至っては、なんと全員がサイリウムを持参しており、スタッフを驚かせた。これは売れ残った2階席・3階席のチケットにモノノフがドッと群がったことを意味する。

ももクロはなんと堺正章主演ドラマ『西遊記』を意識したコスチュームで登場。百田夏菜子はゲジゲジの眉毛ともみあげを蓄えての登場で、「シークレットでも隠しきれないももいろクローバーZです」と挨拶し、「これを歌うと、いとうせいこうさんにちょっとお金が入ってくる」と言って笑わせた『5 THE POWER』のパフォーマンスと、ゴダイゴの『ガンダーラ』をカバーして盛り上げた。百田は如意棒を華麗に振り回していた。

このももクロの登場から会場は一気にヒートアップし、続くNONA REEVES、堂島孝平でも観客は総立ちのままノリノリ。堂島も「客席のこの熱、すごい！」と感動していた。MCを務めたポカスカジャンも「ももクロのパフォーマンスが終わったら、ファンがみんな帰っちゃうんじゃないかと心配していたけど、みんな最後まで残ってくれて、ももクロ以外のアーティストのためにこんなに盛り上げてくれて、本当にいい人たちですね」と喜んでいた。

トリで登場した堺正章は、台東区長から表彰状を受け取ると「こんなに歓迎されたのは50年ぶりです」と感謝の気持ちを述べ、「これまで、コメディ栄誉賞を受賞したのは、小沢昭一さん、谷啓さん、伊東四朗さん、ドリフ、コント55号、ほとんどの方がもう亡くなってるんですよ。これは”送る会”ですか？」と言って笑わせつつ、「最近スポーツ紙を見ていて堺って名前がよく載ってるから何だろうと思って見てみると、いつも決まって堺雅人のことが載ってるんですよ。だから最近ストレスがたまっていたんですけど、コメディ栄誉賞受賞の記事を読んでやっとストレスが吹っ飛びました」とコメントしていた。

百田から堺に「私、孫悟空の格好をしてるんですけど、この如意棒と仲良くなれないんですよ。私だからダメなのかなと思って、本家の人が持つと違うと思うんです」と言って如意棒を手渡される一幕もあったが、如意棒を握った堺はその瞬間に孫悟空になりきり、ぐるんぐるんと振り回して見事な如意棒さばきを見せてくれた。「この如意棒は僕が使っていた如意棒よりもちょっと重たい。女の子にはきついかもしれないね」と堺。ももクロのメンバーは飛び跳ねながら拍手を送り、百田は「いつまでもダンディな堺さんでいてください」とエールを送っていた。

最後に全員で『さらば恋人』を合唱し、「第6回したまちコメディ映画祭in台東」は幕を下ろした。