瀧本美織主演『貞子3D2』夏祭りレポ〜取材記者はかく語りき〜

8月20日(火)、有楽町・よみうりホールにて、『貞子3D2』の夏祭りイベントが行われた。イベントには主役の瀧本美織の他、瀬戸康史、山本裕典、子役の平澤宏々路、監督の英勉、そしてサプライズゲストとして主題歌・東方神起の2人(ユンホ、チャンミン)が登場した。
このイベントは久しぶりに胸を張って「舞台挨拶とはこういうものだ」と言わせる素晴らしいイベントだったので、ここに撮影した写真を交えて筆者の観点から見た独自のレポートを掲載したいと思う。たくさんのマスコミが取材に来ていたけど、こういう記事がひとつくらいあってもいいんじゃないかな。長文になるが、イベントの楽しさ、臨場感が伝われば幸いである。
筆者にとって、このイベントには、3つのワンダフルがあった。それが大きな収穫だった。勝手にタイトルを付けるなら、「魅力発見、瀧本美織」、「爆笑コント・貞子」、そして「ドッキリ、東方神起登場」。この3つである。順に書かせてもらう。
魅力発見、瀧本美織
瀧本美織は、NHKの連続テレビ小説『てっぱん』の主役や、宮崎駿の新作『風立ちぬ』のヒロインなど、ビッグタイトルで着々とキャリアを積んできている女優だが、ついに本作で映画初主演を果たした。
筆者にとって今回が瀧本美織の初取材になったが、出てきた瞬間、いやぁー、ビビビと来ましたよ。この仕事を始めてもうかれこれ何年になるか、有名人を見てもまったく何も感じなくなった自分が、ここに来て久しぶりに女優の秘めたるオーラを見てドキドキしたのである。まだ駆け出しの頃にハリウッドスターを見て感動したときのような、そんな初心に帰らせてもらった。思わずシャッターを何度も押してしまった。
だって、登場したときのその物腰のなんとまあチャーミングなこと。キラキラと輝いていた。もうそれは一目惚れだったね。カメラも久しぶりに喜んどるわい。
ステージ中央に来て、足下のバミリを確認してから、顔をあげて観客に見せた一番最初の表情がこれ。
この心から嬉しそうな笑顔。花柄のワンピースも髪型もとってもキュート。よくみると口元に小さなホクロがあって、それがまた素敵なんだな。普通の記者ならこういうことは書かないだろうけど、今回は書かずにはいられなかった。
瀧本は「『貞子3D2』を見させていただいたときには、怖いシーンになると怖くて我慢できずに3Dメガネを外してみました。これからご覧になる皆さんもきっと3Dメガネを外すと思います。怖くて我慢できなくなったら3Dメガネを外してください」とコメントしていた。21歳らしい無邪気なコメントじゃないか。
爆笑コント・貞子
この日のもうひとりの主役は「貞子」だった。この貞子がかなり芸達者で面白かった。舞浜かどこぞのテーマパークの着ぐるみの中の人がやってるんじゃないかってくらいサービス精神旺盛だった。
イベントに出てきた貞子は、こんな感じ。闇の中からこつ然と登場。右に立っている女性はMCの伊藤さとりだ。この日の伊藤さとりはトークの切れもよく、絶好のコンディションだった。
大ボケ役の貞子を中心に、「貞子の髪の毛黒さきいか」など様々な小道具や大道具も登場。ゲストの面々がギャグを連発する様は、まるでコントの様相である。瀧本(天然)、瀬戸(ツッコミ)、山本(ボケ)も終始リラックスした様子で爆笑トークを展開していた。英勉監督もかなりユーモアのセンスがあって、自分の作品のくせに「『貞子"3DS"』だっけ?」とわざとタイトルを間違えたり、とてもホラー映画を作ってる人たちが舞台挨拶をしているとは思えなかった。まさにホラーとコメディは紙一重ということで(違うか)。
瀬戸と山本のかけあいはまるでコントか漫才のようだったな。
この日一番笑えたのがこの画。手押し車に子供の貞子を乗せて出てきたときには、いったい何のギャグかと思った。いや、映画の中では怖いんだろうけど、この成り行きで見ると完全にネタである。
貞子は井戸の中からペットボトルを取り出し、登壇者にプレゼントしていたが、MCが「それは貞子の井戸の水です」というと客席は爆笑。さらに瀧本が「ここに阿蘇の水って書いてありますけど」とするどいツッコミをして笑わせた。登壇者はその場でペットボトルの水を飲むことになったが・・・
このショットはかなり貴重な胸キュン・ショットかなと。なぜなら記者会見などでは女優は水はストローを使って飲むのが通例となっているから。綺麗な女優がペットボトルに直接口をつけて飲む写真が撮られたのは、ありがたや〜。若々しいから飲料メーカーのテレビCMみたいにすごく良い画になってます。
ドッキリ、東方神起登場
このイベント、最大の目玉は、サプライズゲスト東方神起の登場である。混乱を避けるため、進行表にも「花束ゲスト」としか書かれてなくて、スタッフの説明でも一切”東方神起”の言葉は口にしない徹底ぶり。自分らマスコミもこのドッキリの仕掛人の一人だったってわけ。ワクワクしたなぁ。韓流の人気は以前から嫌というほどわかっていたから(おっと、良い意味でだよ、念のため)、出てきたら、きっとすごいことになるだろうという確かな予感があった。
イベントが後半にさしかかった頃には、何だか筆者までドキドキしてきたものである。MCが監督に東方神起を主題歌に起用した理由とかを聞いて、いよいよ東方神起が出てくる頃だと思うと、武者震いのようなものを感じた。「せっかくなので、ご本人に来ていただきましょう」とMCが言うと、客席は絶叫。満席のホールのほぼ全員が絶叫していて、よみうりホールがまるで音でぐらぐら揺れるようだった。筆者も振り向いて観客の喜ぶ顔を見て元気をもらった。筆者の後ろの女性など、あんぐりと口を開けてびっくりしていた。そう、これが見たかったんだ。こっちも興奮で胸がバクバクした。この異様な光景に瀧本らキャストもびっくりして笑いが止まらない。何より東方神起本人もこの歓声には喜んでいた。
しかし、一番舞い上がっていたのは実は貞子だったというのが今回の落ち。東方神起を前にして、幸せオーラ全開。事前にスタッフからは、ユンホから瀧本に花束が渡されると聞いていたけど、貞子が「これは私のものよ」と言わんばかりに花束を横からすかさず奪い取ってしまった。その画があまりにもおかしくて思わず筆者も吹いてしまった。このときの貞子、キャーキャー言って何もできなくなる女性のあの感じである。声を押し殺すのは大変だったろう。その分、全身全霊で喜びを表現していた。何度も何度も東方神起に握手をせがんでいたけど握手してもらえなかったあたり、貞子がなんだか妙に可愛く見えてきたり。
貞子旋風はまだ始まったばかり
『貞子3D2』は、配給の角川書店が今徹底的にあっちゃこっちゃで盛り上げている映画である。前作のプロモーションでは確か渋谷の交差点を貞子の群れが練り歩いたと記憶しているが、前作の宣伝では一貫してギャグに突っ走っていたように、今作でも宣伝では真面目にふざけてくれているのだと、このイベントを通じて実感した。まだ筆者は映画の方は未見なので本編について書くのは控えるが、予告編を見たときには怖くて一瞬ちびりそうになったので、宣伝ではふざけていても映画そのものは娯楽性にあふれたホラーになっていると思う。
タイアップも相当多いようだ。例えば、筆者が今毎日遊んでる「クイズ アンサー×アンサー ポケット」というスマホのゲームがある。こんなところにも貞子の呪い?が拡散していたようで、貞子が出てきて笑わせてくれた。最近は色々なところで貞子を見かける気がする。
その盛り上げ方は目を見張るものがある。今回は『スマ4D』なる上映があるとかで、それは前代未聞、上映中の映画と連動してスマホアプリが動くとのこと。遊び心もチャレンジ精神も超弩級である。英勉監督は「スマホ専用アプリなので、まだガラケーを使ってる人は、この建物の1階がビックカメラですので、この機会にスマホでもどうぞ」と言って観客を笑わせていたが、なんでも、瀧本曰く「これを入れると自分の携帯が破滅します」とのこと。さらに「映画を見ていると自分に電話がかかって・・・」とかで、それ以上言おうとしたら監督に「危ない!危ない!言っちゃダメ!」と止められてしまった。それがいったいどういうものかは謎のベールに包まれたままだ。「上映中はスマホの電源をONにしてください」というから何やらただものではなさそうだが(最初のマナーCMはどうなるんだよ)、その真相は劇場で実際に確認してもらいたいところである。
最後にイベントのまとめだが、他にも、書き忘れてはいけない宏々路ちゃんの愛嬌だったり。だって、これだよ。ひたすら可愛いでしょ(貞子のぬいぐるみを腕につけているところにも注目)。
その他、観客のリアクションの良さだったり、あらゆる要素が高いレベルに達していたイベントだったと思う。イベントというのはライブであり、つまり生きているものである。即興でこれだけ盛り上がるというのは凄いが、いや、即興だからこそ、これだけ盛り上がれるのであって、それこそこういった舞台挨拶のイベントの醍醐味と言えるものである。
最前列で写真を撮らせてもらっている我々記者にとって、後ろから聞こえる観客の歓声は、仕事の疲れを吹き飛ばす、生きて行くための糧だ。今回のはお世辞抜きにすごかった。間違いなく記憶に残るイベントになったと思う。たっぷりと大歓声のパワー、笑いのエネルギーを充填させてもらったぞ。
『貞子3D2』は、8月30日(金)より、角川シネマ新宿ほか、全国ロードショー。3D/スマ4D同時上映。ちなみに、石原さとみも特別出演しているぞ。