『スター・トレック イントゥ・ダークネス』人気英俳優ベネディクト・カンバーバッチが来日

7月16日(火)、六本木にて、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のスペシャルプレビューが行われ、本作に悪役で出演しているベネディクト・カンバーバッチが舞台挨拶を行った。ゲストには、日本語吹き替え版キャストの栗山千明がかけつけた。
J・J・エイブラムスの手による大作『スター・トレック』シリーズの2作目だが、オープニング興収は前作比200%以上という大ヒットで開始した。この作品で最重要キャラとなるのがベネディクト・カンバーバッチ演じる悪役ジョン・ハリソンである。カンバーバッチは『シャーロック』で現代に生きるシャーロック・ホームズを演じ、現在日本でも様々なメディアの表紙を飾るなど、爆発的な人気を集めている。このイベントのチケットは販売開始からたった3分で完売したとのことで、カンバーバッチのその人気の高さを裏付けている。
来日するのは2回目だが、こうしてファンの前に姿を見せたのは今回が初めて。観客の大半は女性客で、登場するなり、女性ファンからものすごい歓声に迎えられ、ご満悦の様子で登壇、「俳優はなかなか直接ファンの声を聞くことができないから、こうして皆さんの前に立てるのは嬉しいです」と挨拶した。そのたたずまい、喋り方はまさに現代版シャーロック・ホームズ。いや、今回は『スター・トレック』の悪役なんだけど、しかしウィットに富んだジョークを次々と連発するところ、いかにも英国的であった。ファンは何度も何度も手を振っていたが、カンバーバッチはそれにひとつひとつ手を振って応えていた。トークもたっぷりと語ってくれて、通訳が訳すのが長いものだから「ちょっと喋るの長過ぎたかな。ごめんね。次からは短めに話すことにするよ」と謝るも、次もその次もやっぱり話すのが長くなって「今度のは短かったでしょ」といたずらぽく語っていた。
ゾーイ・サルダナ演じるウフーラの声を演じている栗山千明が登場すると、「お美しい。ゾーイ・サルダナもきっと喜んでいるだろうね。僕は吹き替えのファンなんだ。栗山さんの声も楽しみだよ」とカンバーバッチ。「悪役だったので、怖い人かと思いましたが、優しい人で安心しました」と栗山。栗山はカンバーバッチのその美声に魅了されたようで、美声の秘訣について訊くと、「それは商標登録しているから言えないね。ウイスキーとタバコかな」とジョークで返して軽く笑わせた後、「僕は声変わりするのが遅かったから学生の頃は女性の役が多かったんだ。女性の役というと変かもしれないけど、男子校だったからね」と隠れたエピソードを披露していた。
と、そんなとき、突然司会から「ファンの皆さんからカンバーバッチさんにサプライズがあるそうです!」というアナウンスが。すると観客全員で声を揃えてハッピーバースデーの大合唱が始まり、エンタープライズをかたどったバースデーケーキが登場した。実はこの3日後にカンバーバッチは37歳になるのである。これにはカンバーバッチも顔を赤くして照れていた。そのケーキを運んできたのが何を隠そう、スポック!ではなくて、スポックのモノマネをしたココリコ田中直樹だった。
カンバーバッチは、ケーキを見て「これ、全部食べられるの?」と興味津々。田中が「全部食べられます」というと、カンバーバッチは「あああ!」と雄叫びをあげながらエンタープライズの横に固定してあったジョン・ハリソンの胴体をバリバリと引っこ抜き、そのままバクリとその首を食べてしまった。「なかなかうまいね、”僕”は」とノリノリだったが、口の中でモゴモゴしてなかなか飲み込めず、「これを食べたのはマズかったかな」と苦笑い。スタッフから水をもらっていた。カンバーバッチは「みんな誰から聞いたのか知らないけど、僕の事を37歳っていうけど、僕は本当は32歳なんだよ」と笑わせ、最後までユーモアを忘れなかった。
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』は、8月16日(金)、17日(土)、18日(日)のお盆に先行公開が決定している。(澤田)