黒谷友香による新生『極道の妻たち』誕生
6月8日(土)、新宿にて、『極道の妻(つま)たち Neo』の初日舞台挨拶が行われ、黒谷友香(37)、原田夏希(28)、長嶋一茂(47)、渡部豪太(27)、小池里奈(19)、香月秀之監督、原作者の家田荘子先生が登場した。
家田先生のルポルタージュ『極道の妻(つま)たち』を原作として、これまで岩下志麻、高島礼子らの主演で15作品の映画が製作され、東映ヤクザ映画における不動の地位を築いた人気シリーズ『極道の妻(おんな)たち』。その最後の作品が公開されてから8年。今回新たに原作のタイトル『極道の妻(つま)たち』となって原点回帰しての再映画化となった。今回この大役をまかされたのは黒谷友香だ。上品な容貌だが、その内に覚悟を秘めた様がキラリと光るハマり役になった。
黒谷は、「みなさんいかがでしたか?」と客席に問い、拍手喝采をもらうと「ああ!よかったです!歴史のある映画なので、がんばらなきゃと思ってやりました。これで報われました!」と嬉しそうに語っていた。
これが今までのシリーズと大きくことなるところは、愛が主軸になっているということである。香月監督は「これまでの15作品は、ヤクザ映画なんです。今回作った映画は、ヤクザ映画ではなくて、女の愛の映画なんです」とコメントしており、黒谷も「本作は、愛がテーマになっています。女性が持つ強さ、情を描いた作品です」と話していた。これについては家田先生も評価していて、「愛する男の人への愛を貫くことが描写されていて、素晴らしい作品だと思いました。山口組千葉会の抗争がありまして、そこを取材させてもらって『極道の妻たち』を書かせてもらったんですけど、抗争の最中に男たちが戦っていて、朝いってらっしゃいと玄関で愛する人の背中を見送るわけですが、もしかしたら帰ってくるときは今度は棺桶に入ってるかもしれない。そういう覚悟をもった女性たちはどう思ってるだろうというところから取材が始まりました。今回は極道という世界ですけども、どんな世界でも女性が男性を愛するということは変わらないと、この映画を見て新たに思いました」と語っていた。
清純派のイメージが強かった原田も、今回は啖呵を切る役に挑戦しており、「一目見て悪役に見える」と評判だが、原田自身は「特殊メイクですからね。あれは」とコメントしていた。「キセルも持っていますし、私の写真を見ても私とわからなかった人も多かったです。夫役の今井雅之さんは、メイクを落とした私を見るといつも”誰?”と言ってました。だいぶギャップがあったみたいですね」と満足げだ。
長嶋は「二人のかっこいい女性たちに囲まれて幸せでした」と挨拶。「僕は松田優作さんの大ファンで真似しました。最初葉巻を鼻にあてるシーンがあるんですけど、これは『ブラックレイン』で松田優作さんがやって、すごくかっこいいんで、真似したんです。ばれるかなと思ったんですけど、誰も何も言わなかったので、そのままやっちゃえばいいかなと思ってやりました。楽しかったです」とコメントしていた。
小池は「撮影初日がブティックのシーンで、黒谷さんがお母さんのように抱きかかえてくれて、本当に琴音さんだと私自身思いました。本当に憧れるような思いでした」と黒谷の演技を褒めていた。
関西生まれの関西育ちということで、セリフもより本物の関西弁らしく自分でアレンジしたという黒谷は、劇中かっこよく決めセリフを決めている。イベントの後の報道向けの囲み取材では、報道陣から何かひとつ決めセリフをカメラに向かってやるようにリクエストされ、「惚れた男のけじめは、おなごがつけさせてもらうで!」と演じてくれたが、なかば照れ笑いしながらの演技だったので、妙に愛嬌があった。黒谷のマジな演技は実際に本編で確認いただきたい。
『極道の妻(つま)たち Neo』は、新宿バルト9ほかで全国公開中。