FTISLANDのイ・ホンギが映画初主演『フェニックス 約束の歌』

6月6日(木)、六本木にて、『フェニックス 約束の歌』の公開前夜プレミアイベントが行われ、韓国発ロック・バンドFTISLAND(エフティーアイランド)のボーカル担当イ・ホンギ(23)が登場した。
同作で映画初主演を果たしたイ・ホンギは、映画の中でもトップスターを演じており、ケンカが元でホスピスでの社会奉仕活動を命じられ、患者たちとバンド活動で交流しながら人生を見つめ直していく姿が描かれている。
ホンギを取材するのは、筆者はこれが初めてだったが、まずイベントの進行表を見て疑問に思ったのが、通訳さんの立ち位置が書かれてなかったことである。そこで担当者に訊いてみたら、「イ・ホンギさんが日本語を話せるんですよ」と言われてびっくりした。いったいどこでいつどうやって日本語を覚えたのか。最近の韓国の人気スターは日本語が話せる人が多くて、すごいなあと思う。
登場したホンギは、いたずらっぽい表情が可愛らしい好青年だった。日本語もほぼペラペラだけど、司会者に「撮影で苦労されたことはありますか?」と訊かれて、「苦労されたところですか?」と答えて会場から笑い声がくすくす。ところどころで日本語が間違っていて、そこが妙に愛嬌があった。
イベントの司会者のことについても述べねばなるまい。その名は李由美。この手の韓流スターのイベントには欠かせない名物お姉さんともいえるフリーアナウンサーである。誰よりも韓流ファンの気持ちがわかっている司会ともいえるだろう。韓流を語らせたらもう底抜けに明るくて、イケイケでゲストにあれをやってこれをやってとリクエストしまくってイベントを大いに盛り上げる。この名調子が韓流人気の立役者の一角を担っているといっても過言ではないかも。
ホンギは、ところどころで日本語で何と言っていいのかわからない単語を韓国語で言って司会に日本語に訳してもらっていたのだが、撮影中に乳牛がいて、その鳴き声でNGになったということを話していて、乳牛という言葉が出ずに、ホンギが手のジェスチャーで牛のおっぱいを表現していたら、司会が「ホルスタインですよね。それは"チチウシ"っていうんですよ! チチウシ! 言ってみて。チチウシ! チチウシ!」と言い、ホンギもつられて「チチウシね。チチウシの鳴き声が邪魔してました」と言い、客席から「ニュウギュウ!」と教えられて会場が爆笑していた。
司会のいつものイケイケで「歌が聞いてみたいですね!」とリクエストがあると、ホンギは困った表情で「喉の調子がよくなくて、本当に今はダメなんですよ。歌えないんです」と最初は本気で断っていたが、客席から「え〜!」と不満の声があがり、引くに引けず赤面しながらもかっこいい歌声をアカペラで聞かせてくれた。これには観客も大喝采していた。
話は変わるが、ホンギがボーカルを担当しているロック・バンドFTISLAND。このバンドの最新アルバム「RATED-FT」を筆者も聴いてみたが、これがとても良い。厚みのある正統派バンド・サウンドに、ホンギの日本語のボーカルがパワフルで、時々ちょっと切なげでぐっとくる。ロックのかっこよさが詰まった非常にジューシーなアルバムになっていてオススメだ。
司会に「6月6日は、何の日だと思いますか?」と問われ、ホンギは「ロックの日でしょ?」と答えたが、正解は楽器の日。稽古はじめは、6歳の6月6日にするといいという日本の習わしに由来しているというが、それを聞いたホンギは「じゃあ僕は今から稽古しても遅いですね」といって笑いを誘っていた。これにちなんで楽器の絵が描かれた巨大ケーキが出てきたが「こっちとこっちで色が違う。こっちが本物で食べられるんだ。こっちが偽物」と早速ケーキの秘密を暴露して笑わせた。手にケーキがついてしまったので、それを舐めてみるも、ペッと吐き捨て、映画館の壁で手をふくイタズラお兄さんぶりを見せて会場を沸かせていた。
『フェニックス 約束の歌』は現在公開中。(澤田)