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東横線・渋谷駅跡地で行われたDJイベントにきゃりーぱみゅぱみゅが登場

4月29日(月・祝)、”SHIBUYA ekiato"にて、DJイベント「TAKENOKO!!! -GW SPECIAL- supported by [yellow tail]」が行われ、きゃりーぱみゅぱみゅ、VERBALらが登場した。

このイベント、いったいどういったイベントかというと、現在日本の音楽シーンを牽引している名プロデューサー、中田ヤスタカが主宰しているもので、あまりクラブミュージックに縁がない人にもクラブミュージックを楽しんでもらいたいという趣旨で行われているDJイベントである。このイベントをサポートしている「イエローテイル」はきゃりーぱみゅぱみゅがアンバサダーをつとめる豪州ワインのブランドである。「YouTube MUSIC WEEK」の一環もかねており、ステージはTAKENOKO STAGEとYouTube BOOTH STAGEの2つのステージに分かれ、それぞれが同時進行していく。きゃりーぱみゅぱみゅのライブはYouTubeでも中継配信された。

実は筆者はクラブというものに一度も行ったことがなく、このジャンルについてはまったくの素人であった。今回の記事は、そういう意味でのレポートになっているので、どうかファンの方はご容赦を。ただ、結果から言って大満足だったということは先に書いておく。これがクラブミュージックか!という満足感があった。その意味では、このイベントの真の目的は達成されていると思う。ここでは素人目線から見たその感想について思うままに書かせてもらう。

SHIBUYA ekiato

イベントの会場は”SHIBUYA ekiato”である。まず特徴的なのがこの場所である。東急東横線の渋谷駅舎跡地を3月に改良してイベントスペースにしちゃったわけだが、これが駅の原型をほとんどとどめたままステージになっているので、線路も黄色い線もそのまま残っている。ステージのバックには案内板が見える。信号機がステージの天井にぶらさがっている。トイレについては以前の駅のトイレがそのまま流用されているから面白い。もともと東横線の渋谷駅は天井の形が特徴的だったので、そのデザインがイベントスペースのコンセプトにマッチしたということだろう。イベントスタッフたちも駅員のコスプレをしてビラ配りして頑張っていたぞ。オープンなステージだったので、渋谷駅全体にクラブサウンドが響き渡っていた。

クラブミュージック

普通クラブといったら夜のイメージがあるが、このイベントは真っ昼間から行われる。筆者が最も驚いたのは、休憩時間がまったくないということだった。こんなことに驚くなんて素人丸出しだろうな。ロックイベントの場合はバンドとバンドの演奏の間で長い休憩が入るものだが、DJイベントでは音を途切れさせずにつないでいくことが美徳になっているようだ。一度灯した音楽の炎は絶やすことなく次の人へとリレーしていく。12時に開始して終了は20時半である。間にきゃりーぱみゅぱみゅのライブを挟んではいるものの、それを除けば約9時間、音楽は途切れることなくかけ続けられる。曲が終わる前にうまい具合に次の曲に入って行くのだが、この流れがあまりに見事すぎて、素人の筆者はここにDJイベントの醍醐味を感じた次第である。

DJは約1時間で次の人に交替する。このタイミングでひとつの曲を2人でやり合う場面が見られる。ここで次の人を紹介したりするのだが、DJイベントでは交替のところでちょっとした共演が見られて、なんだかダチって感じがして温かかった。

Tomoyuki Tanakaのステージでは、ヒューマンビートボクサーのDaichiが突然セッションに参加するというハプニングもあった。これはプレス用の案内表を見ても全然決まってなかった話。つまり、その日にTomoyuki Tanakaが突然参加するように呼びかけたものと思われる。1曲だけの登場だったけれど、ものすごいインパクトがあった。こういうハプニングがあるのもDJイベントのいいところである。Tomoyuki Tanakaが最後に「君たちがクラブシーンを引っ張っていくんだよ」と言っていたのが微笑ましかった。

きゃりーぱみゅぱみゅ

このイベントのメインアクトであるきゃりーぱみゅぱみゅが登場したときには、最高に盛り上がった。さすがである。この日はのべ4260人の来場者を記録したが、きゃりーぱみゅぱみゅのときが一番ピークで、オールスタンディング席がぎゅうぎゅうになるほどの賑わいだった。大人から子供まで観客はみんな腕をつきあげてきゃりーぱみゅぱみゅの音楽に乗って踊っていた。筆者は実はこの日まできゃりーぱみゅぱみゅの良さをわかっていなかったが、これを見た日には、もう好きにならずにはいられないというか、これは人気が出て当然と納得した。もう何と言っても楽しくて、歌詞の語感も良く、聞いていてウキウキしてくる。そしてカワイイ! 一緒に踊ってるとハッピーな気分にさせられる。

きゃりーぱみゅぱみゅは曲と曲の間でMCも聞かせてくれた。そこで、彼女は元はDJだったことを明かしていた。DJをやっていたら、中田ヤスタカと出会い、そこで声をかけられて現在に至っているという。以前からTAKENOKOにもDJとして参加していたとのことで、今回は特別にDJではなくライブをやることになったという経緯を話していた。



きゃりーぱみゅぱみゅが出てきたところで、スピーカーの音がそれまでの倍くらい大きくなったのはいいが、重低音でズンズンきてかなり快感だったけれど、同時に上から砂が降ってきて、顔中ザラザラになってちょっと大変だった。もともとは古い駅だったステージである。ここまで音量をあげると、スピーカーの音波を受けて積年の砂埃が天井からパラパラと落ちてきたようである。きゃりーぱみゅぱみゅが1曲歌うたびにみんな肩に落ちた砂をはらっていたし、筆者の前に立っていた女性は目に砂が入って大変だった。ライブが非常に素晴らしかっただけに、この砂埃は残念だったので、今後改善して欲しいという願いを込めて、敢えて記事に書かせてもらった。

中田ヤスタカ

さて、中田ヤスタカである。このイベントの主宰者である。これがまた素晴らしかった。それはもうボスの風格で、音の厚みが違う。もう6時間も踊っていたけれど、そんな疲れも吹っ飛んでしまうほど体が動かずにはいられなかった。しかも最新のエレクトロニックミュージックにPerfume(写真)の曲をミックスするという、これはもう盛り上がらないわけがない。ステージを包み込むように設置されてあるスクリーンにPerfumeメンバーが映し出され、「edge」が爆音で流れたときといったら、オーディエンスの興奮も最高潮に達していた。

さらに、サプライズで、中田ヤスタカのステージに、再びきゃりーぱみゅぱみゅがいきなり後ろから登場した! 今度はTシャツ姿だ。これは嬉しい! きゃりーぱみゅぱみゅは「CANDY CANDY」「みんなのうた」「にんじゃりばんばん」を披露した。こういう形で2人の共演が見られるのはこのイベントならではである。きゃりーぱみゅぱみゅは歌い終わると、忍法を使って早々とテーブルの下にドロンしていった。

VERBAL

そして、本日のトリはVERBAL。中田ヤスタカ主宰でありながら、トリを自分ではなく、この道のスターにやらせるところが心憎い。m-floのヒット曲を連発して、駅に集まった来場者全員をひとつにさせたところは、さすがトリ、すごい盛り上がりである。ついにはテーブルの上に立って踊りだすなど、熱いパフォーマンスでぐいぐいひっぱり、まさにこれぞクラブミュージックと言わんばかりのパワーがあった。

筆者にとっては初めてのDJイベント。9時間もぶっ通しで踊り続けたのは初めてで、家に帰ったときには膝のあたりが筋肉痛になってしまったけれど、それだけ楽しかったという証拠である。DJからは「この曲、君たちも聞いてみてよ! すっげえ良い曲だから!」というような純粋に音を楽しむ心意気を感じさせてもらった。クラブというと敷居が高いイメージがあるけど、そんなことはなくて、音楽が好きならば誰にでも参加する資格があると思った。(写真・文:澤田英繁)

参加アーティスト

中田ヤスタカ(capsule)、きゃりーぱみゅぱみゅ、DAISHI DANCE、Tomoyuki Tanaka(FPM)、Daichi、RAM RIDER、南波志帆、TEMPURA KIDZ、DJ Shiso、GOD HARAJUKU(SPINNS)、Hiro、HALOiD、saitou_master、the capers、CLM(中田クルミ)、西村ひよこちゃん(TRUMP ROOM)、KATCHI、VERBAL(m-flo/TERIYAKI BOYZ)、ほか。<VJ>HEART BOMB、滝紘平、AK2、ほか

セットリスト

12:00-18:00 DJセット(RAM RIDER、Tomoyuki Tanaka、DAISHI DANCE、ほか)
18:00-18:40 きゃりーぱみゅぱみゅ LIVE
 M1. ぱみゅぱみゅレボリューション
 M2. ファッションモンスター
 M3. ふりそでーしょん
 M4. インベーダーインベーダー
 M5. Unite Unite
 M6. PONPONPON
 M7. きゃりーANAN
 M8. つけまつける
18:40-20:40 DJセット(中田ヤスタカ、VERBAL)

<2013/5/3追記>ekiatoは7日で取り壊しになるそうです。失礼しました。

2013年4月30日 03時41分

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