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『東京公園』男1人に美女3人 異色ラブ・ストーリー

6月18日(土)新宿にて、『東京公園』(配給・ショウゲート)の初日舞台挨拶が行われ、青山真治監督(46)、三浦春馬(21)、榮倉奈々(23)、小西真奈美(32)、井川遥(34)が登壇した。

『東京公園』は、東京の様々な公園の風景をバックに青山監督が独特の美学で描きあげた異色ラブ・ストーリー。男1人に美女3人という登場人物の構図が面白い。榮倉は三浦の同居人の元カノという設定。三浦とちゃぶ台で差し向かいでご飯を食べるほど親密な仲。このあまりにも近すぎる距離感が色々考えさせる。小西は三浦のことを色々と面倒見てくれる優しい姉の役。近いようで遠かった存在だ。そして、ある男に依頼されて三浦が尾行することになった女性を井川が演じる。井川は文字通り絶世の美女で、遠く離れた場所から見ていても惹きつけて離さない魅力がある。三浦演じる主人公が、性格もルックスもまったく異なるこの3人と正面から向き合うこと、それが本作のテーマになっている。

筆者の感想だが、この映画は小西真奈美が実に良い。筆者はこれを見て小西真奈美のファンになった。もうすでに各種メディアで報道されてしまったことなのであえてここで隠すまでもないから書くが、劇中、三浦春馬と小西真奈美が長いキス・シーンを演じており、これが本作で最も心を揺さぶるシーンになっている。

三浦は「お姉さんとのキス・シーンが本当に長くって、こんなに長くって大丈夫なんだろうかって思ったんです。自分のキス・シーンを見るのは本当に冷や汗をかくじゃないですか。皆さんもそうだと思いますよ。自分のキス・シーンを大画面で見るというのは絶対に冷や汗をかきますよ。2回目を見たときそこがすごくいい間だなって感じられたんですね。それってのはやっぱり青山さんのマジックがかかっていてですね、現場でもあのシーンはこのカットでは1回目しかキスしませんといわれていたんですけど、いくらたってもカットがかからない。そういう青山さんの作戦が作品のいたるところに散りばめられています」と話していた。

このキス・シーンは、主人公の目線から姉の姿を映した映像になっているが、セリフもなく、じいっと長回しで、小西真奈美演じる姉の揺れ動く心が如実に表れていて、見ているこっちまでドキドキしながら思わず生唾を飲み込むシーンになっている。このときの小西真奈美がまた本当に抱きしめたくなるほど良い顔をしているのだ。

小西はこの日の舞台挨拶では、マイクがオンになっておらず、「ごめんなさい、オンにしてなかったです」と照れ笑いする一幕があった。そういう照れさえもいじらしく見えてしまうのは、やはりあのキス・シーンを見ていたからか。小西は本作について、次のようにコメントした。

「身近にあることってものすごく大切なことだと思いました。この作品の試写を見た後に『お母さん、大好きだよ』と、ちょっと照れ臭いことをしてしまったんですよ。そういう身の回りにあることにちょっと目を向ける時間を与えてくれる作品じゃないかと思います」

東京公園』は、新宿バルト9ほかで全国公開中。(文・澤田英繁)

2011年6月20日 01時35分

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