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菅野美穂『パーマネント野ばら』黄色ワンピに報道カメラマンも癒され

3月25日(木)、有楽町にて、『パーマネント野ばら』の完成披露試写会が行われ、菅野美穂(32)、小池栄子(29)、池脇千鶴(28)、監督の吉田大八(46)、原作者の西原理恵子(45)が舞台挨拶に立った。

2009年は”サイバライヤー”と言われ、西原理恵子原作の漫画が続々と映画化され話題になったものだが、まだまだこのブームは過ぎ去ってはいない。西原漫画は、自身の破天荒な生き方をつづった”無頼派”と言われるものと、叙情的な描写で見せる”叙情派”、二つの作風を持つことで知られているが、数ある代表作の中でも『パーマネント野ばら』は叙情派作品の最高傑作と評されており、西原本人も舞台挨拶では「この映画化が他の何よりも一番嬉しかった」と語っている。

今回もちゃんと映画を見てしっかりリアルな映画評をレポートしたかったのだが、残念なことに今回はなぜか映画の取材がNGとなってしまったので、舞台挨拶とチラシの雰囲気から映画の内容を想像して書かせてもらう(実際の本編と違っていたらごめんなさい)。

映像がとても詩的な趣のある感じ。映画に出てくるビューティサロンの店のボロさ加減が良い感じだ。役者たちは皆高知弁で喋っているという。西原は「女優さんみんなに下品なセリフ(掲載自粛)を何度も言わせてごめんなさい。女の人って、男の人がいなくなると、下品で、頭が悪くて、頭が良くて、色んなところが出てくるんです。菅野さんはそれをそのまんま出してくれました。おばさんたちは喜んでくれると思うけど、男の人はどうみてくれるか不安。私は試写で2回見たけど、2回とも泣きました。私の回りの癖の悪いおばさんたちはみんな泣いてました」と話している。どうやら詩的な映像の中に、女性達のありのままの姿が描かれているようだ。そういう意味では去年の西原映画『女の子ものがたり』と比べてみると面白そうである。そういえば『女の子ものがたり』を見たときは、男性には理解できない部分が多くあったのが興味深くて、これが女というものなのかと思ったものである。

菅野は「あけすけなので男の人は”え?”と思うことがあると思いますが、そういう女性の本当の部分を愛している映画になりました。パワーがあって、恋にまっすぐで、可愛くて、可愛くなくて」と作品を紹介。可愛くて可愛くない、つまり女性の悲喜こもごも全部が入った映画になっているようで、ここにも男性がびっくりする女性の一面を発見できるかもしれない。

小池の役は西原曰く高知女性の代表格だというが、小池自身も「私の回りにこんな娘いるなと映画を身近に感じてもらえたら嬉しい」とコメント。池脇は「おばちゃんもいたり子供もいたり、みんな愚かで恥ずかしくって可愛いんですけど、そういうバカなところも笑ってやってください」と話していた。様々な人間模様がスケッチされているのだろう。

菅野美穂の映画主演は、意外にも8年ぶりだ。しかし、その初々しい笑顔は8年前と変わっていない。トーク中の撮影は禁止だったが、黄色いワンピース姿があまりにもチャーミングで、男性の報道カメラマンの多くがトーク中に我慢できずにシャッターを切ってしまいスタッフから注意されながらも癒されていた。

パーマネント野ばら』は、ショウゲート配給で5月22日から全国公開。(文・澤田英繁)

2010年3月26日 06時03分

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