東京国際映画祭2009開幕 今年はシガーニー・ウィーバーが来日
10月17日(土)、六本木ヒルズにて、第22回東京国際映画祭が開幕しました。去年に引き続き、今年も私、澤田が取材してきました! 年に一度の映画のお祭り。恐らく日本で最も華やかなお祭りとあって、報道の皆さんも、気合いの入り方がいつもと全く違うようでした。ドレスコードがあって、スタッフも報道関係者も全員ビシッとスーツを着用して取材に挑んでいました。スーツを着ると身が引き締まりますね。
東京国際映画祭にはいくつもの部門があります。世界各国の映画の中から頂点を決める「コンペティション」。話題の新作を一足早く見る「特別招待作品」。アジア映画を集めた「アジアの嵐」。日本のインディペンデント系映画を集めた「日本映画・ある視点」。この4つが主なカテゴリー。表向きの顔は「コンペティション」になるのでしょうが、実質ニュースなどで話題になるのは「特別招待作品」の方です。「特別招待作品」では、いかにもヒットしそうな日本映画やハリウッド映画の話題作が集められ、映画祭を華やかに彩ります。
映画祭の魅力は何かと言ったら、やっぱりレッドカーペット。東京国際映画祭の場合、レッドカーペットではなくエコカラーのグリーンカーペットになります。100名以上のセレブたちが豪華なドレスを着て長いグリーンカーペットを練り歩く様はまさに映画祭の醍醐味。まだまだ日本の役者が大半を占めるところはローカル感が否めませんが、最低一人だけでもハリウッドスターを招致しているところはTIFFもやっとるなぁという感じがします。
去年の審査委員長はジョン・ヴォイトでしたが、今年の審査委員長はメキシコのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥです。『21グラム』、『バベル』の監督といえばピンとくるでしょうか。去年も参加したポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキ、韓国映画のスター、ユ・ジテも審査員を務めます。
グリーンカーペットで特に印象に残ったのは中国の女優たちでした。『麦田』のファン・ビンビンが登場したときには記者席の男たちからヒューヒューという声が出たほど。本当にまばゆいばかりの美しさでした(僕的には隣のワン・ジャジャの方がタイプですが)。ジュ・ウェンペイもトン・ヤオもリウ・ドンも中国人は日本人と違ってオーラが違いますね。でも僕が最も綺麗だと思ったのはヴィッキー・チャオでした。ヴィッキー・チャオは去年に続いて2年連続の参加だったのですが、今年は出てきた瞬間、電撃に打たれたような感じになりました。圧巻です! あくまで僕個人の意見なので参考にならないかもしれませんが、でも僕の回りに座っていた女性記者たちも「綺麗」と言ってたので間違いないはず。中国からは女優の他にもイケメンの俳優たちが大勢集まっていました。
今年最もマスコミの注目を集めたのは広末涼子、中谷美紀、木村多江でしょうか。3人揃って赤いゴージャスなドレス姿で登場して、またと見られない3ショット。ものすごいフラッシュ量でした。小出恵介、林遣都らイケメン俳優が集まった『風が強く吹いている』も注目作。中村優一には黄色い声援もありました。井上真央と岡田将生のツーショットも週刊誌を賑わしそうな予感がしました。海外のレッドカーペットには慣れた感じがする菊地凛子は鈴木京香と二人で堂々とグリーンカーペットを歩きました。
松雪泰子、平原綾香、長澤まさみは二年連続での参加です。長澤まさみは東京国際映画祭の常連だそうですが、今年はたった一人(ちょっと寂しい?)でグリーンカーペットを歩いていました。『曲がれ!スプーン』のスプーンを持って愛嬌たっぷりに笑顔をふりまいてなかなかの好印象でした。海老名香葉子、泰葉、穂のか、アントニオ猪木はグリーンカーペットは歩いても終着点のステージングは辞退。ステージ席にいた僕は写真が撮れずにがっかり。桃井かおりは去年に引き続き今年も参加しましたが、彼女は今年もステージには立たない主義?を貫いていました。
去年は初めて内閣総理大臣(麻生前首相)が映画祭に出席して大きな話題になりましたが、今年も去年に引き続いて鳩山由紀夫首相が出席しました。鳩山首相は緑色の蝶ネクタイで登場し、幸夫人を連れてグリーンカーペットを歩きました。「映画スターになった気分です」「映画で競い合うこと。素晴らしいことじゃないですか」とコメントし、カメラ席の前で一人一人に律儀にカメラ目線を送るサービス精神は映画スター以上。正直、他のどの映画スターよりも輝いていました。一番印象が良かったのが政府高官だったなんてなんだかなぁ。とにかく僕の中では鳩山首相に対する見方は格段に良くなりましたね。
去年のビッグネームは、ジュリアン・ムーアでしたが、今年のビッグネームはシガーニー・ウィーバー。11年ぶりの来日。いや、60歳とは思えない美しさでした。しかしシガーニー以上に注目されたのが彼女の出演作品『アバター』のフッテージ映像です。鳩山首相も3Dメガネをかけて中央の一番良い席で鑑賞していました。『アバター』は『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督の待望の新作です。これまでキャメロン監督は3D映画の研究に没頭しすぎていたせいで、長らく僕らは新作映画を拝むことができませんでした。その研究の成果がいよいよ発揮されるときが来たわけですから話題にならないわけがない。これは本当に楽しみですね。映画の歴史がまた変わりそうな予感がします。
今年のオープニング作品を飾ったのはフランスのドキュメンタリー映画『オーシャンズ』でした。ジャック・ペラン監督とジャック・クルーゾー監督がナビゲーター(日本語版ナレーション)を務める宮沢りえと登場しました。製作費はなんと70億円。世界で最も製作費をかけたドキュメンタリー映画です。このジャック・ペラン監督、どこかで見た顔だと思ったら実は『ニュー・シネマ・パラダイス』で映画監督役を演じているんですね。なお、クロージング作品には去年の『ウォーリー』に引き続いて今年もピクサーから『カールじいさんと空飛ぶ家』が選ばれています。