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常盤貴子『引き出しの中のラブレター』せちがらい世の中に必要なもの

7月1日(水)、明治記念館にて、『引き出しの中のラブレター』の製作報告記者会見が行われ、常盤貴子、林遣都、中島知子、岩尾望、豊原功補、八千草薫、三城真一監督が浴衣姿で登壇した。

常盤貴子は本作でラジオのパーソナリティを演じる。実際にJ-WAVEで本番が行われている横で映画を撮影していたといい、常盤はJ-WAVEという大きな看板を背負っていることを実感し、現場では緊張したという。常盤が劇中どのようなパーソナリティぶりを見せてくれるのか、今から興味は尽きない。

常盤はこの映画をオムニバスとして紹介。仲代達矢ら、沢山のキャラクターが登場する映画だが、常盤はすべての登場人物が主役で、すべてのエピソードが完結していると話していた。「ラジオは特殊なメディアで、一対一で会話しているような気になる。この映画はそういうラジオの特性を生かして、人と人との繋がりを描いた温かい映画になっている」とのことだ。

八千草は「聞いただけでドキドキしてくる」とこの映画のタイトルを絶賛。タイトルに「手紙」とあるように、手紙が作品の重要な要素になっているとのことで、記者会見ではやたらと手紙の話に話題が集中していた。手紙をPRするための記者会見かと思わせるほどだった。

林は「映画の中の手紙は実際に僕が書かせてもらいました。台本通りに書きましたが、メールを送るのとは全然違って、生で書く文字の持つ力と重みを感じました」とコメント。常盤は「手紙は手間がかかる分、思いが伝わるので、あえて伝えたいときは手紙を書きます。どの封筒にして、どのペンで書くか、その手間も含めて気持ちが伝わるものなので、私はファンからの手紙もそういうところに注目します。メールにはない嬉しさがあります」とコメントしてていた。

大方手紙とeメールを比較したコメントが多かったが、八千草だけはeメールにあまり縁がないのか「電話で言えないことも手紙なら書ける」とただ一人電話と比較した発言をしており、岩尾は「勇気を出して八千草さんにアドレスを聞きたいと思います」と冗談を言っていた。

オセロ中島は小学の頃の初恋の思い出について吐露。「卒業式の日にサイン帳にクラスメートの皆にコメントを書いてもらったことがあったんですけど、好きな男の子は猪木さんと馬場さんの絵しか描いてくれなくて、結果的に全く私に興味がないんだなとわかりました。手紙には本心が表れるんですね」と言って記者達を笑わせていた。

最後に、七夕ということで登壇者はおのおの短冊に思いを込めて手紙を書くことになった。常盤は先日急逝したマイケル・ジャクソンへ「夢をありがとう」とメッセージを送った。豊原は「梅雨明け」と書き笑いを誘っていた。監督は「仕事が忙しく、毎日家に帰れずカミさんに申し訳ない。景気が早く回復しますように」とせちがらい話を短冊にしたためていた。

妊婦役を演じる中島は「これ以上増えませんように」と書いていたが、記者たちはてっきり体重のことかと思って大笑い。しかし中島は「別に幸せな人がこれ以上増えませんようにという意味ではないですよ」と返答、記者たちが笑った意味を誰かの結婚の話と勘違いしているようだった。実は中島が増えませんようにと書いたのは実家の畑を荒らす動物のこと。「以前猿がリビングのバナナを食べているのを見て親が間違えてお茶を出したことがあった」と苦い経験を笑い飛ばしていた。

この日一番記者たちを感動させたのは林。会見中も段差のところで八千草に手を差し出すなど優しい一面を見せていたが、短冊には「僕の名前は”都に遣える”と書くんです。”大きな都市に出て働き、大きなことを成し遂げよ”という父の思いが込められています。今一人暮らししてますが、いつもこの名前を目標にしてるから頑張れています」と親への感謝の気持ちを込めて書いていた。ちなみに、本作は親子のきずながテーマになっているということだ。

この日一番ぺらぺらと喋っていた三城監督は、日々相当苦労してるのか、何度も「せちがらい世の中」という言葉を使っていたが、なんでもこの映画はこのせちがらいご時世には持ってこいの感動作になっているという。明日の生き方を教えてくれる『引き出しの中のラブレター』は、松竹の配給で、10月より丸の内ピカデリー他全国公開される。(文・写真:澤田)

2009年7月3日 07時23分

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