麻生首相も出席。第21回東京国際映画祭開幕
麻生首相も出席。第21回東京国際映画祭開幕
10月18日から26日にかけて六本木ヒルズを中心に開催している第21回東京国際映画祭(以下、TIFFと略します)のオープニングセレモニーに行ってきました。たっぷり写真も撮ってきましたよ。サイト開設から8年間続いているシネマガですが、実はTIFFを取材するのは今年が初めて。こんなに大きなフェスティバルを今まで無視してきたのはバカみたいでした。実はカメラマンも記者も正装で来なければいけなかったのですが、映画祭に関しては全くのド素人である僕は私服で来てしまったので、えらく目立って恥ずかしかったです。この日は、右も左もわからない状態で取材に挑むことになりました。
いやぁ、圧倒されましたよ。これが映画祭か!と思いました。わずか9日間の間に300本以上の映画を上映(そのため公式プログラムは200ページを超えます)。しかもそれぞれの作品に監督やキャストが参加しての舞台挨拶やティーチ・イン、記者会見があるわけです。とにかく映画づくし。映画ファン、映画評論家、映画系メディアは、一週間大忙しですね。『レッドクリフ Part I』や『ウォーリー』などの話題作を特別招待作品として上映したり、コンペティション部門に出品された各国15本の中から一本グランプリが決められるという映画祭ならではの楽しみもあります。
今年のレッドカーペットはエコをテーマにして、コカ・コーラのペットボトルを再利用したグリーンカーペットとなり、セレブたちはトヨタのエコカー「iQ」に乗って登場するというものでした。映画祭大使は木村佳乃さん、審査委員長はジョン・ヴォイトさんが務めます。『ブラインドネス』のジュリアン・ムーアさんもTIFFのために初来日を果たしました。
集まった取材陣の数も見たことがない人数でした。カメラマンだけでも大きな映画の記者会見の10倍くらいの人数はいましたね。しかも拘束時間が長い。丸一日がかりの取材ですよ。どこの会社も担当者総動員で来てましたので知ってる人も多く来てて、ここに来ればみんなに会えるといっても過言じゃないくらいで、まさにお祭りでした。
僕が驚いたのは、グリーンカーペットとアリーナ、どちらか片方しか取材できないことです。周りの記者には「そんなことも知らないのか」と思われましたね。そうなんです。カメラマンが多すぎるので場所を二カ所に分けなければ収拾が付かないというわけなんですよ。どちらを選ぶかは究極の選択ですね。自然な表情を狙うならグリーンカーペットでしょうけど、歩いているセレブを撮る場合、カメラのピントを合わせるのが大変だろうと考えて、僕は露光など何も考えなくても撮れるアリーナ側を選びました。長時間に及ぶ撮影だったので望遠レンズを持ち続けて指が痛くなりましたよ。イベント終了直後にカメラとフラッシュのバッテリーがあがったのでギリギリセーフでした。こんなに体力を使った取材は初めてでした。丸二ヶ月分の取材をたった一日で一気にやったような気分でした。
国際映画祭とはいっても、外国からの記者は数えられる程度しかおらず、長澤まさみさん、宮崎あおいさん、上戸彩さんと、一般客やマスコミからの注目を集めていたゲストの多くは日本人だったので、まだまだ世界的には知名度が低いのかもしれませんね。でも着々と世界に認められる大きな映画祭になってきていることが伝わってくるものでした。今年一番の話題は、麻生首相の参加。首相がカーペットを歩くのはTIFFでは初めてのことなんです。こういうイベントに参加するところは、いかにも麻生首相らしいじゃないですか。その分、セキュリティに関しては過去でも最も厳重なものになっていたようです。
麻生首相は開会式で「日本では、総理大臣としてよりは、なんとなく、マンガのオタクとして有名になりました。だけどマンガを使ってのドラマ化はかなりのものを占めていると思うのです。今年の東京映画祭でも手塚治虫の特集を組んでいます。僕が子供の頃、手塚治虫が描いた未来都市に正直びっくりしましたが、今は日本でああいった場所はいくつもあります。マンガはその時々の現実を描きながら、暗い話を明るく笑い飛ばしてみたり、未来への夢・希望を映し出してくれます。マンガを通して、アニメーションを通して、映画を通して、色んな形で人々に感動を与える共通点になっています」と挨拶し、日本のアニメーションのソフト力の強みを世界にアピールしました。(2008/10/18 リポーター:澤田)